2013年12月27日金曜日
公開講演会
12月21日は、センターの公開講演会。今回は地球環境変動-気候変化からハビタビリティまで-と題して、センターの熊谷さんが「気候変動と森林破壊」、東大大気海洋研の吉森さんが「氷期・間氷期から探る地球温暖化」、東大新領域の田近さんが「地球環境と生命の進化」、東工大地球生命研の玄田さんが「もう一つの地球:系外惑星とハビタビリティ」と、大きく異なる時間・空間スケールの内容で話をしてくれた。以前、講義で地球と宇宙の時空間スケールや全球凍結を扱ったことはあったが、実際に研究をやられている人の話を聞くのは初めてだった。一般向けということもあり、4名ともわかりやすく、面白い話をしてくれた。その後の飲み会も含めて、全球凍結で生き残った生物や地球外生命の話など、普段聞けない話に盛り上がった。系外惑星の海色をやるか?
2013年12月6日金曜日
台湾でのアジア海色ワークショップ
2013年12月3~5日に、台湾の成功大学でアジア海色ワークショップ(AWOC)を共催しました。今回は韓国と10年前から交互で行ってきた日韓海色ワークショップ(KJWOC)に最近参加していた台湾の研究者の提案で実現したものです。日韓台の他、中国、ロシア、アメリカ、留学生としてはベトナム人、モザンビーク人、合わせて50名ほどが参加して、国際的だがアトホームな会議となりました。東シナ海や日本海での研究が中心で、特に韓国が3年前に打ち上げた静止海色衛星に関する話題が多くありました。研究室からも学生5名が参加し、台湾や韓国の若手と交流を深めました。発表の他に、台湾海洋研究所の新しい研究船Ocean Researcher Vの見学もでき、台湾の海洋研究への意気込みも感じることができました。主催した研究室には日本人の留学生もいて、今後国際的に活躍していく人材になることが期待されました。
http://www.youtube.com/watch?v=utz5h6jX4uA&feature=youtu.be
http://www.youtube.com/watch?v=utz5h6jX4uA&feature=youtu.be
2013年10月23日水曜日
中国海洋大でのNOWPAPトレーニング
10月22・23日は中国青島の中国海洋大学でNOWPAPのリモートセンシングのトレーニングコースに講師として参加した。このトレーニングコースはNOWPAPのCEARACでリモートセンシングを利用した海洋環境把握をテーマとして位置付け、何をやるかの議論開始時から関係したもので、7年前に当時私のいた長崎大学がホストとして第1回、韓国海洋研究院がホストで済州島で第2回、ロシアの太平洋研究所と極東大学がホストとなってウラジオストックで第3回を行い、今回は中国海洋モニタリングセンターと中国海洋大学がホストとなって開催された。これでNOWPAPの4か国を一回りしたので、一段落であるが、今後もぜひ続けてほしいところだ。
今回、私は基礎生産と富栄養化をテーマにした講義をおこなったが、前日の昼過ぎに入り、当日も講義が終わると早々に帰国するあわただしい状況であった。それでも、学生はかなり熱心で、先生を知っている華東師範大学の学生さんなど、今後も研究のつながりが出来そうだ。また、ホストとなった中国海洋大学のリモートセンシングセンターには、千葉大で仕事していたZhaoさん、JAXAで仕事をしていたChenさん、引退はされたが毎日9時から21時まで仕事をされているというHe先生など以前から知っていた人が多く、こちらとも今後協力して行く方向で話ができた。
今回のトレーニングは青島のダウンタウンにある中国海洋大学の古いキャンパスで行われた。中国海洋大学の新しいキャンパスについては、この春も含めて何度か行っているが、こちらのキャンパスは初めてであった。主に水産系のグループがこちらのキャンパスに残っているらしい。建物も古いものが多い。正面玄関の前にある62楼は日本が昔中学校として建てたそうで、古いながらもしっかりしていてきれいな建物だ。大学を含め中国らしく町全体で工事が多く、大気もやはり煙った感じではあるが、次回の時にはゆっくりと来たいところである。
今回、私は基礎生産と富栄養化をテーマにした講義をおこなったが、前日の昼過ぎに入り、当日も講義が終わると早々に帰国するあわただしい状況であった。それでも、学生はかなり熱心で、先生を知っている華東師範大学の学生さんなど、今後も研究のつながりが出来そうだ。また、ホストとなった中国海洋大学のリモートセンシングセンターには、千葉大で仕事していたZhaoさん、JAXAで仕事をしていたChenさん、引退はされたが毎日9時から21時まで仕事をされているというHe先生など以前から知っていた人が多く、こちらとも今後協力して行く方向で話ができた。
今回のトレーニングは青島のダウンタウンにある中国海洋大学の古いキャンパスで行われた。中国海洋大学の新しいキャンパスについては、この春も含めて何度か行っているが、こちらのキャンパスは初めてであった。主に水産系のグループがこちらのキャンパスに残っているらしい。建物も古いものが多い。正面玄関の前にある62楼は日本が昔中学校として建てたそうで、古いながらもしっかりしていてきれいな建物だ。大学を含め中国らしく町全体で工事が多く、大気もやはり煙った感じではあるが、次回の時にはゆっくりと来たいところである。
コースが行われ宿泊所もついた交流会館
日本のたてた62楼
2013年10月9日水曜日
三河湾環境再生プロジェクト推進委員会
8日は、水試の人などと打ち合わせに県庁のそばまで来たので、愛知県の三河湾環境再生プロジェクト推進委員会第3回を傍聴した。委員の有識者にはよく知った先生方も多いが、NPOや民間企業等の人たちも多く、科学的な議論の場とは大分違った雰囲気だ。
三河湾の魅力を一層高めるための方策、多様な主体の連携・協働による再生取組、干潟・浅場の保全・造成についてなど、委員の意見をまとめるとともに、11月中には、様々な人を呼んで、連携・協働と干潟・浅場に関する二つのワークショップを開催するようだ。漁協長さんのいる中で、漁民のために海岸線に入れない事があるなどの議論があったり、多様な人たちの多様な意見が入り混じる。
一方で、環境再生に関する科学文献情報の概要に関して、私もよく知っている I さんが発表したり、下水道から流入する栄養塩をただ減らすだけでなく管理するという考え方や、伊勢湾シミュレーターを向上するにはどうしたらよいかなど、科学的な議論も少しなされた。
これだけいろいろな人が参加しても、科学的なバックをしっかり考えて進めようとするところは、改めて愛知県の水準の高さに驚かされた。どのようなまとめていくのか、S委員長の手腕が問われ興味深い。
2013年10月4日金曜日
日中韓IMBER
10月3,4日は東大で開催された日中韓の海洋生物地球化学と生態系の統合研究(IMBER)のワークショップに参加した。以前PAMSと中国海洋大学でお世話になったMaxさんが、このワークショップに参加するのに先駆けて名古屋大によってくれたので、一緒に東京へ向かった。Maxさんは生物が作った化学物質を測定することによって、現在の分布等を調べるとともに、過去の海洋環境を調べる専門家で、アメリカに長くいて最近中国に帰っている。中国は最近どんどんアメリカで活躍している優秀な研究者を呼び戻して、国内での研究・教育を活発化している。
日中韓IMBERには、まだ日韓GLOBECだった大昔に一度出席したが、その後随分と発展したようだ。今回は韓国からは、以前長崎丸に乗ってもらったKIOSTの学生とオーガナイザと二人だけの出席だったが、中国からは中堅、若手が多く来ていた。最近名前をよく聞く研究者も多く、特に生物関連で面白い発表も多く、とても議論が活発だった。日本の発表にも中国人学生やPDが多く、私も連れては来なかったがエチゼンクラゲと東シナ海の植物プランクトンの吸収に関して、二人の中国人学生の仕事を発表した。
日中韓IMBERには、まだ日韓GLOBECだった大昔に一度出席したが、その後随分と発展したようだ。今回は韓国からは、以前長崎丸に乗ってもらったKIOSTの学生とオーガナイザと二人だけの出席だったが、中国からは中堅、若手が多く来ていた。最近名前をよく聞く研究者も多く、特に生物関連で面白い発表も多く、とても議論が活発だった。日本の発表にも中国人学生やPDが多く、私も連れては来なかったがエチゼンクラゲと東シナ海の植物プランクトンの吸収に関して、二人の中国人学生の仕事を発表した。
2013年9月28日土曜日
2013年9月12日木曜日
NOWPAP/CEARAC FPM
9月11・12日と富山でNOWPAP/CEARACのフォーカルポイントミーティング。8月にあったエクスパートミーティングに忙しく出られず、事前の事務局との打ち合わせが不十分でどうなるかと思いましたが、何とかまとまりました。多様性と富栄養化に関するこれまでのまとめと今後の展開、新たなアマモ場のプロジェクトいずれも、まだ詰めが足りませんでしたが、日中韓露の代表も多くが頻繁に顔を合わせているので、それなりに考慮してくれました。今回はPICES代表としてSさんが来てくれ、いつものおばちゃんの店におそくまで付き合せてしまいました。PICESとNOWPAPとは全く違いますが、それぞれのよい面を出したいところです。
2013年8月29日木曜日
公開講座「絆:つなぐ、つながりを考える」
8月29日は午前中東京会議の後、帰って夕方に名古屋大学公開講座「絆:つなぐ、つながりを考える」の中の一コマを、「人と海のつながり:人、水循環、海洋生態系」と題して話しました。この公開講座は、若干の高校生を含んだ主にシニアのお客さんが100名近く出席してくれました。時代にあった全体テーマで、以前そのような日本海に関するそのような名前の本の一節を書いたので、あたったのでしょうか。
悩んだ末に、日本人へとっての東シナ海の重要さとそこでの環境の研究に日中韓で考えていることと、伊勢・三河湾での漁業の復活へ向けての取り組みに関しての話をしてみました。さすがに有料ということもあって、シニアの方は熱心でした。
このシリーズの講演者は、東海ラジオのラジオ放送講座「名古屋大学リレーセミナー」でも話をすることになっており、プロのアナウンサーとの対談形式で8月11日に放送になりました。これはそのうち大学のホームページで聞けるようになるようです。さすがプロのアナウンサーは、鈴のような声で、よいポイントを聞いてくれます。
悩んだ末に、日本人へとっての東シナ海の重要さとそこでの環境の研究に日中韓で考えていることと、伊勢・三河湾での漁業の復活へ向けての取り組みに関しての話をしてみました。さすがに有料ということもあって、シニアの方は熱心でした。
このシリーズの講演者は、東海ラジオのラジオ放送講座「名古屋大学リレーセミナー」でも話をすることになっており、プロのアナウンサーとの対談形式で8月11日に放送になりました。これはそのうち大学のホームページで聞けるようになるようです。さすがプロのアナウンサーは、鈴のような声で、よいポイントを聞いてくれます。
2013年8月24日土曜日
CREAMS 20周年
8月22日から24日まで、ソウル大学に。CREAMSという日本海に関する、日本や韓国、ロシア、アメリカの国際共同研究の20周年のワークショップに参加した。1993年に九州大学の竹松先生とロシア、韓国で開始された共同研究は、1999年からアメリカも参加した第2期、そして2005年からPICESの下にアドバイザりパネル(AP)と位置付けられた第3期に分かれる。私は2009年からPICES/CREAMS-APのCo-chairとなるまで、あまりCREAMSに直接は関連してこなかったが、改めてみると第1期中に福岡で開催された1997年のシンポジウム、第2期中の2002年に韓国で開催されたシンポジウムには参加していた。後者で発表したYKさんの研究結果は、その後PICESの特集号として出版されている。立ち上げ時の大変な苦労について、竹松先生ご本人から聞けたのはよかった。最近も韓国との間では日本海の呼称問題や竹島の問題などがあるが、隣の国同士、何とか友情を深めていかないといけない。
2013年8月8日木曜日
2013年7月30日火曜日
東シナ海航海
7月19日から29日は、毎年の長崎丸での東シナ海航海だった。昨年度は、対馬海峡を中心に観測を行ったが、今年は再び済州島の南の韓国の経済水域に行くことができた。また例年、中国・韓国からの参加者が多かったが今年は韓国海洋研究所だけと比較的少なく、主に名大、九大、長崎大、富山大のグループだけとなった。一方で、今年はこれまでにない画期的な試みとして、富山大のZJ先生のおかげで、中国海洋大学の調査と同じ時期に観測ができ、韓国経済水域の定点周辺で落ち合うことができた。合うといっても、あまり近寄ることはできず、人の姿は見えないぐらいの距離ではあった。また、もう一つ画期的なこととしては、あちらの船には中国からの留学生XYJ君が乗船し、クラゲの目視調査等を行っている。
今年の航海では、最近にしては珍しく、エチゼンクラゲが多く、それま比較的大型の個体が多かったようだ。これは我々が衛星で測定した、春先の黄海の水温が最近より少し高めであることと関連しているように思われる。水温はエチゼンクラゲの大発生が続いた2002-2007年よりは低いのでおそらく、大発生にはつながらないのではないかと思われるが、今後も注意が必要だろう。
今年の航海では、最近にしては珍しく、エチゼンクラゲが多く、それま比較的大型の個体が多かったようだ。これは我々が衛星で測定した、春先の黄海の水温が最近より少し高めであることと関連しているように思われる。水温はエチゼンクラゲの大発生が続いた2002-2007年よりは低いのでおそらく、大発生にはつながらないのではないかと思われるが、今後も注意が必要だろう。
いつもの記念写真
中国海洋大学の船
エチゼンクラゲ
カツオドリでしょう。優雅です。
2013年6月3日月曜日
研究集会「東シナ海陸棚域の物質循環に関わる物理・化学・生物過程」
2013年5月2・3日に高等総合研究館カンファレンスホールにおいて標記の研究集会を開催た。この研究集会は、名古屋大学地球水循環研究センターと九州大学応用力学研究所が長崎大学、富山大学と共同で行なっている東シナ海の生物生産への長江希釈水の影響に関する研究の状況をまとめ、2013年7月に予定されている東シナ海航海の計画を策定する目的で行なった。また、周辺海域に関する研究についても発表してもらいました。参加者は学外10名(うち九州大学3名、長崎大学4名、富山大学1名、愛媛大学1名、西海区水産研究所1名)、学内16名の26名だった。
前半は関連する研究で行われてきた結果で、東シナ海・黄海の潮汐同化モデル(岩清水)、台湾海峡流量の季節変動と風(松野)、対馬海峡東のフロント渦(千手)、東シナ海の栄養塩ソースと栄養塩・クロロフィルの季節変動(郭)、東シナ海のクロロフィルとシネココッカスの季節変動(長谷川)についての話題提供があった。後半は、これまでの済州島南で行ってきている研究内容として、微量栄養塩の季節変動(江藤)、乱流微細構造観測(松野)、窒素・リン循環(梅澤)、基礎生産に関連する鉛直物質輸送(石坂)、硝酸躍層(武田)に関して、まとめと特に今年度の研究計画についての議論を行い、特に今年度新しい試みとして中国海洋大学の共同観測計画の提案(張)があった。
これをもとに、7月に予定されている済州島南部での長崎大学練習船による航海と、同時に行われる中国海洋大学の東方紅との共同観測の仕方について計画を策定した。
2013年5月20日月曜日
最近の論文
最近出た論文です。 2013 Yamaguchi, H., J. Ishizaka, E. Siswanto, Y.B. Son, S. Yoo, Y. Kiyomoto Seasonal and Spring Interannual Variations of Satellite-Observed Chlorophyll-a in the Yellow and East China Seas: New Datasets with Reduced Interference from High Concentration of Resuspended Sediment. Cont. Shelf Res., 59, 1-9. http://dx.doi.org/10.1016/j.csr.2013.03.009/ 黄海・東シナ海のクロロフィルaの季節的および春季の経年的変動:高い再懸濁堆積物濃度の妨害を抑えた新しいデータセット 黄海・東シナ海沿岸で特徴的な高い再懸濁堆積物濃度の影響を抑えた新しいデータセットを使って、黄海・東シナ海のクロロフィルaの季節的および春季の経年的変動を明らかとした。 その結果、黄海・東シナ海の広い範囲で春季ブルームがあり、冬場の懸濁物が春季ブルームを遅らせる場所があること。 1998年から10年間で経年的に広い範囲で植物プランクトン濃度が上昇していることが明らかとなり、富栄養化の影響が考えられた。 2013 安藤朗彦、中田英昭、石坂丞二 玄海灘のケンサキイカ漁場形成における対馬暖流の影響, 水産海洋研究 77, 83-91 玄界灘のケンサキイカ漁場に対する対馬暖流の影響を海表面水温を用いて調べた。 その結果、春には産卵適水温海域に集まり、対馬暖流の接岸、離岸パターンと関係しているが、秋には産卵適水温と関係なく沖ノ島周辺に集中することが明らかとなった。 |
2013年5月18日土曜日
BBQ
今日は研究室のBBQ。朝7時から柳橋中央市場に行って海産物の仕入れから。いろいろな海産物に留学生は驚き。いろいろありすぎでどれにしようか迷ってしまう。交渉はさすがに日本人学生のH君が。結局、三河湾産の大きなクルマエビとオオアサリ、日本海のイカ、南三陸町の鰆(サワラ)、マグロの刺身を購入。朝ご飯に、カツオの刺身を食べて帰る。
大学について、一休みしてから、準備開始。卒業生のM君が表れて、少し仕事の話もしたころに準備が整った。結局、以前もやった旧センター脇の木の下で。火をつけるのも手際が良い。海産物も他の肉も野菜もおいしくて、お腹はいっぱいに。
大学について、一休みしてから、準備開始。卒業生のM君が表れて、少し仕事の話もしたころに準備が整った。結局、以前もやった旧センター脇の木の下で。火をつけるのも手際が良い。海産物も他の肉も野菜もおいしくて、お腹はいっぱいに。
2013年4月29日月曜日
中国海洋大学
中国後半の青島はZJ先生が客員を務める中国海洋大学に。
さすがにZJ先生の招待ということで、26日に杭州から移動してきて、ホテルにもいかずに中国海洋大学で学生向き講義、27日は私だけ少しゆっくりして、28日朝中国海洋大学の化学系の国家重点研研究室の評価委員会に合わせた講演会で講演をして、帰国というハードスケジュールだ。
PAMSも中国海洋大学も、どちらも中国人研究者を中心に懐かしい顔にあったり新しい知り合いを作ることができた。若い研究者は熱心に質問してくるし、また日米で活躍している研究者と本国、台湾の研究者が一体となってやろうとしているのには気迫を感じた。日本もこのような中に入って、一緒にやっていかないと取り残されかねない。今回は学生を連れてこれなかったが、次回は学生も連れてゆっくりと来たいところだ。
PAMS
23日から28日まで鳥インフルエンザで話題の中国の杭州と青島に。杭州は2年に一度開催される主に日中韓台露の縁辺海の物理系の研究者が集まる会合PAMSに出席した。今回は富山大のZJ先生が中国海洋大学のZM先生と生物化学を含んだセッションを設けたので、そこに招待された。24日には特別セッションでのチェア、25日にはポスター発表での学生賞の選考と自分の発表をしてから国家第二海洋研究所の見学、26日にはPICES/CREAMS-APの会合の後、青島に移動した。
多くの若い中国人の発表があり、その仕事量には圧倒された。自分の発表では、前の学生YH君の黄海・東シナ海の衛星クロロフィルの季節・経年変動の話と、PDのSCさんのセジメントトラップ実験の話をして、いろいろなインプットがあった。CREAMS-APは、現在進めている黄海・東シナ海の共同航海と教科書作りについての打ち合わせを中心に行った。
多くの若い中国人の発表があり、その仕事量には圧倒された。自分の発表では、前の学生YH君の黄海・東シナ海の衛星クロロフィルの季節・経年変動の話と、PDのSCさんのセジメントトラップ実験の話をして、いろいろなインプットがあった。CREAMS-APは、現在進めている黄海・東シナ海の共同航海と教科書作りについての打ち合わせを中心に行った。
国家第二海洋研究所の屋上を案内してくれた中堅研究者のHQさんとXHさん。
2013年4月11日木曜日
引っ越しと初めてのお客さん
火曜日からまた引っ越し。オフィスはようやく落ち着いてきた。今度は7階で、学生室からの見晴しはなかなかのもの。今度のオフィスは、われわれ地球水循環研究センターの他、太陽地球環境研究所、エコトピア研究所の入った研究所共同館。中でも7階は、3つの研究所の寄り合い所帯。新しい触れ合いで新しい考えがでてきそう。
今日は、引っ越し後初めてのお客さん。海水処理関係の二社、衛星リモートセンシングの情報を処理に利用できるのではないかとの相談。こちらも新しい産学連携ができそう。
明日は実験室の引っ越しだ。
私のオフィス
学生のオフィス
2013年4月1日月曜日
2013年3月30日土曜日
2013年3月24日日曜日
国際プロジェクト評価
国際プロジェクトの評価のためにアメリカに。半年前の一次審査のロンドンに引き続き、今回が本審査でワシントンDCだった。不幸にも、どちらも海洋学会にぶつかってしまって、秋春と学会をさぼるはめに。今回、学会では学生としてはXYJ君、HM君、SW君、OT君、KT君が以下の発表した他、九大の学生LY君と大分水試のMK君が発表に名前を入れてくれた。前回・前々回では学生がポスター賞をもらったが、今回はPDのSさんが岡田論文賞で表彰された。
アメリカに着いた当日は日本の研究関連の組織からワシントンDCに来ている人たちのパーティに参加。実は私は50年以上前に父がアメリカの科学技術を盗むためにワシントンDCに来ていた時に生まれた。つまりこのパーティは私の起源といってもよいのかもしれない。話を聞くと、今は科学技術を盗むというよりは、日本の成果のアッピールのために駐在員を置いている組織が多いようで、50年前とは大きく変わったようだ。父へのよい土産話ができた。
しかし、肝心の沿岸の虚弱性に関するプロジェクト評価はなかなか、日本の研究者には厳しい現実があった。日本人がトップで出したプロポーザルもいくつかはあったが、結局すべて落ちてしまた。採択された外国人がトップの研究でも、共同研究者として参加している日本人はわずかに数名だ。一足先にあった、淡水の防災関係のプロジェクトでは、結局日本人はゼロだったとのことだ。まだまだ欧米の研究者と肩を並べていくのには、英語も含めハードルが高い現実がある。もっと国際的に活躍する人材を輩出できるようにならないといけない。
XYJ君:巨大クラゲ(N. nomurai)の発生と東シナ海北部と黄海における海面表層水温、植物プランクトンブルームの経年変動
HM君:伊勢湾における大型植物プランクトンの存在割合の推定
SW君: Variability of Phytoplankton Absorption in the Tsushima Strait and East China Sea
OT君:伊勢湾におけるクロロフィルaの長期変動解析のための海色衛星センサーSeaWiFSとMODISデータの改良
KT君:2012年夏季東シナ海における台風通過後のクロロフィルaと懸濁物量の変化
LY君, Estimation of Subsurface Chlorophyll Maximum in the East China Sea
MK君: 西部瀬戸内海におけるFlowCAMを用いた現場赤潮監視
アメリカに着いた当日は日本の研究関連の組織からワシントンDCに来ている人たちのパーティに参加。実は私は50年以上前に父がアメリカの科学技術を盗むためにワシントンDCに来ていた時に生まれた。つまりこのパーティは私の起源といってもよいのかもしれない。話を聞くと、今は科学技術を盗むというよりは、日本の成果のアッピールのために駐在員を置いている組織が多いようで、50年前とは大きく変わったようだ。父へのよい土産話ができた。
しかし、肝心の沿岸の虚弱性に関するプロジェクト評価はなかなか、日本の研究者には厳しい現実があった。日本人がトップで出したプロポーザルもいくつかはあったが、結局すべて落ちてしまた。採択された外国人がトップの研究でも、共同研究者として参加している日本人はわずかに数名だ。一足先にあった、淡水の防災関係のプロジェクトでは、結局日本人はゼロだったとのことだ。まだまだ欧米の研究者と肩を並べていくのには、英語も含めハードルが高い現実がある。もっと国際的に活躍する人材を輩出できるようにならないといけない。
何と、バットマンと同じホテルに泊まることに。バットマンはさすがに朝寝坊のようだ。
2013年2月15日金曜日
大型クラゲ国際共同研究成果報告会
2月14日は大型クラゲ国際共同研究成果報告会だった。この研究は今年度で4年目の一区切りで、来年度からの予算が心配だったが、おそらく事業は継続されそうとのことで一安心。この4年間はエチゼンクラゲの発生が少なかったが、ようやく、韓国、中国との国際協力もしっかり進み、モニタリング体制もしっかりし、長江河口沖で幼生が発見されるなど、進展があった。私たちの研究グループとしても、大型クラゲが最近あまり出ないことと春先の水温の関係が見えてきたことは大きな進歩である。一方で、水温によって餌とのタイミングの差が生まれることがその原因となるという仮説は現状では否定された形になったが、それはそれで仕方がない。もちろん我々の見ている植物プランクトンと、直接の餌である動物プランクトンは違う可能性もあるので、まだまだわからないことばかりだ。どうしてエチゼンクラゲが2002-2010年だけで出ていたのかを明らかにするべく、今後研究が継続されることが期待される。
2013年2月12日火曜日
JAXA-水研共同研究発表会
2月12日はJAXA-水研の共同研究発表会に出席した。我々のグループでは、愛知県水試との協力で行った、衛星で測定された伊勢湾のクロロフィルaの誤差が、黄砂など広い範囲での大気補正の誤差によっておこっている可能性、そして完全ではないがそれを補正するための方法の提案について発表した。私の研究室からJAXAに行ったY君は、我々の研究室も観測の手助けをした青森での誤差の話をした。他にも、先日博士をとったAさんや西海区のS君、長崎水試のTさんなど、一緒に仕事をしていた人たちがほとんどだ。、その意味で、、少し世界が狭すぎるように思える。もっと広げていかなければいけない。
2013年2月6日水曜日
九大応力研研究集会「東シナ海の循環と混合に関する研究」
2月5日は私が代表となっている九大応用力学研究所研究集会「東シナ海の循環と混合に関する研究」だった。今年は1)東シナ海における栄養塩の循環と混合、2)基礎生産に関わる栄養塩の供給の二つのテーマで、東シナ海の大きなスケールでの栄養塩の循環と、ローカルな基礎生産への栄養塩供給に焦点をあて、名古屋大、九大、長崎大、富山大の研究者で議論をした。いつも短い時間での発表会になってしまうので、今年はそれぞれ1時間近い時間をかけてじっくりと議論を行った。おかげでそれぞれの内容について比較的理解が進み、さらに1)では台湾海峡からの流入や底質からの供給の問題、2)では亜表層クロロフィル極大の成因や維持への栄養塩の関与の仕方など、それぞれの中での問題点が明らかとなってきた。さらに1)と2)をつなぐ黒潮起源の栄養塩の関与やNP比の問題などの内容まで、全体が見えてきたように思えた。そろそろ論文としてまとまりそうな内容が多くでてきている。
2013年2月2日土曜日
修論発表会
1月31日、2月1日は修論発表会だった。研究室からもO君が「伊勢湾におけるクロロフィルaの長期変動解析のための海色衛星センサーSeaWiFSとMODISデータの改良」という題の研究を発表した。伊勢湾での衛星クロロフィルの検証を行ったところ、しばしば過大評価があり、この時に短波長側の海面からの輝度が負となっていた。これは大気補正の誤差によるが、春先の黄砂もその一つの要因となっていた。この負の値を単純な方法で補正してやることで、クロロフィルの誤差は減り、またSeaWiFSとMODISの差も小さくなったが、まだ十分ではなかった。さらに輝度を補正し、統一した手法でクロロフィルを計算するようにすることで、15年以上にわたる共通のデータとして利用ができるようになりそうになった。
黄砂の影響は以前から知られてはいたが、これほど日本周辺のデータに影響があることは確かめられていなかった。今回の仕事によって、栄養塩の負荷削減等によってきれいになっているといわれる伊勢湾が、本当にきれいになっているのか、河川水や気象条件によってどの程度植物プランクトン量が変化しているかなどがわかるようになりそうだ。中国からの大気汚染の影響は最近特にニュースをにぎわしているが、海の測定にも影響がありそうだ。
夜はご苦労さん会でトリノ助、二次会はベルギービールと思ったらいっぱいだったので、パラゴンでカクテル。昨日は、東大大気海洋研のU先生が来たので、O先生、T先生と鳥勤へ。今週は、長崎で二晩、東京で二晩、名古屋で二晩の連続でちょっと飲みすぎ。
黄砂の影響は以前から知られてはいたが、これほど日本周辺のデータに影響があることは確かめられていなかった。今回の仕事によって、栄養塩の負荷削減等によってきれいになっているといわれる伊勢湾が、本当にきれいになっているのか、河川水や気象条件によってどの程度植物プランクトン量が変化しているかなどがわかるようになりそうだ。中国からの大気汚染の影響は最近特にニュースをにぎわしているが、海の測定にも影響がありそうだ。
夜はご苦労さん会でトリノ助、二次会はベルギービールと思ったらいっぱいだったので、パラゴンでカクテル。昨日は、東大大気海洋研のU先生が来たので、O先生、T先生と鳥勤へ。今週は、長崎で二晩、東京で二晩、名古屋で二晩の連続でちょっと飲みすぎ。
2013年1月30日水曜日
GCOM-C PI会議/宇宙基本計画
1月29日、30日は東京で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の次期地球観測衛星GCOM-CのPI会議。このセンサーは250mの解像度でほぼ毎日、地表面の色と温度の観測が可能である。私はこのセンサーのために、赤潮と基礎生産の推定手法の研究を行っている。特に、赤潮に関しては、日本でも沿岸域での養殖業や環境管理の面から、期待が高まっているし、基礎生産も漁業管理や温暖化による気候変動を理解するために、必要不可欠な観測項目である。
しかし科学以外の話題となったのは、先日政府が出した宇宙基本計画の中で、地球観測の重要性もうたっていながら、一方でGCOM-Cも含めていくかの衛星センサーの計画見直しが指摘された点である。地球の観測は科学技術を重視する先進国としては、世界的貢献を含めて積極的に行ってゆくべきであるし、沿岸管理にもGCOM-Cは期待されているため、これまでやってきた研究を捨てて、中止するにはあまりにももったいない。どうも政府はすぐにお金になるように見えるセンサーや、防衛のためと言いつつ何が出ているかもわからない衛星にお金を使おうとしているようだ。これらの衛星やセンサーこそ見直しが必要なのではないだろうか。
2013年1月29日火曜日
長崎大学位審査
1月28日は、長崎大学に残してきた二名の社会人博士の公聴会・審査会があった。福岡県水産海洋技術センターのAさんは「玄界灘における対馬暖流の流動変化が漁場形成に及ぼす影響に関する研究」、水産総合研究センター西海区水産研究所のKさんは「河口及びその周辺海域における植物プランクトン生産の変動要因に関する研究」というタイトル。Aさんの仕事は、衛星による表面水温から対馬暖流の位置を推測し、アジとケンサキイカの漁場と比較した内容で、二種の漁場形成過程の違いが明らかになっている。Kさんの仕事は、有明海の光環境と栄養塩環境、東シナ海の栄養塩環境の変化と赤潮との関連を述べたものだ。二人とも社会人ということで、大分時間がかかったが、うまくまとまってくれてよかった。長崎大で私の後に面倒を見ていただいたN先生に感謝。最後の一人にも早く終わってもらいたいところだ。
前日は卒業生のS君、Yさん、K君と飲む。みんな社会人も長くなってきて大分貫禄がついてきた。当日の後はN先生行きつけの駅前の二軒で長崎の美味しいお魚を。
前日は卒業生のS君、Yさん、K君と飲む。みんな社会人も長くなってきて大分貫禄がついてきた。当日の後はN先生行きつけの駅前の二軒で長崎の美味しいお魚を。
2013年1月8日火曜日
洋上風力発電セミナー
1月8日は洋上風力発電に関するセミナーがあった。環境学研究科の寄付講座のY先生がやられている内容だ。原発事故以降自然エネルギー普及が望まれているが、その中で風力発電についても注目が集まっている。陸上では最適な立地の多くない風力発電も、洋上であればよい場所も多いはずだ。一方で、日本にとって重要な水産業にとって洋上風力発電所の建設は問題にないかねない。単にお金の問題だけでは済まされない、洋上風力と水産業の協力した地域開発の必要性を考えさせられた。
ちなみに安田先生は東大海洋研出身で、私も大学院生の時に白鳳丸でご一緒したことがあり、名大での30年ぶりの再開には驚いた。
ちなみに安田先生は東大海洋研出身で、私も大学院生の時に白鳳丸でご一緒したことがあり、名大での30年ぶりの再開には驚いた。
登録:
投稿 (Atom)