2011年2月27日日曜日

入試監督

2月25・26日は大学の入学二次試験の監督だった。センターは基本的には学部から切り離されているので、今回は法学部の助っ人だ。25日午前が英語、午後が小論文、26日午前は驚いたことに数学だ。法学部で数学の試験があるとは知らなかった。論理的な思考の指標になるということで、それは確かに正しいかもしれない。経済・教育・情報はわかるが、法学部だけではなく、文学部なども数学があるようだ。最も文学部といっても地理や心理であれば数学も必要であろうが。
内容的には、数学は1問目が2次方程式と図形の問題、2問目が確立、3問目が図形上の距離と方程式の条件の問題だ。英語は比較的長文問題、小論文は法学部らしい内容の長文を読んでからの作文で、いずれも非常に難しい問題ではないが、時間内に解こうと思うと、それなりに大変そうだ。
大学入試の内容が選択性になり偏りがひどくなっていることは、いろいろなところで指摘されている。特殊能力が強い人も大切ではあるが、それはごく一部の人間で、多くの人間は広い知識が必要であろう。そう考えると、海洋学や生態学は現状の入試であまりにも扱われていない。もっとも、入試だけではなく、高校の教科書としても海洋学や生態学に関する記述は少なすぎ、入試に出しようもない。これでよいのか非常に疑問を感じる。

2011年2月25日金曜日

NPEC委員会

2月24日はNPECの委員会があった。以前は有害藻類ブルーム(HAB)とリモートセンシングの二つの委員会だったものが統合されて、今はHABの福代さんが委員長、リモセンの私が副委員長という形になっている。HABとリモセンそれぞれの活動の進捗や共同活動の富栄養化評価などの議論がされた。中でも富栄養化評価に関しては、富山湾で作った方法を、今度は北部九州域にあてはめ評価が行なわれたが、やや厳しい内容になり、行政的に問題になっていることが議論された。環境の状況認識に関しては科学的に言える部分もあるが、評価となるとある状態をよしとするのか、しないのか、難しい問題になることは開始時からわかっていた。それでもステップを踏んで、先へ進めていかなければならないだろう。本当によい環境とは何かと考えながら。

2011年2月23日水曜日

九大東シナ海研究集会

2月23日は九州大学応用力学研究所の共同利用の東シナ海研究集会。これは松野先生と話をして申し込んだもので、今回は九大が韓国・中国の研究者も呼び、特に東シナ海の混合過程に焦点を当てた。混合過程は栄養塩を供給する上で重要な役割を果たしており、生物生産にも重要な役割を与えているはずだ。あらかじめ、決めた内容にいろいろな観点で短めの発表で話題提供をする、いつもの講演会と違うやり方だったが、いろいろな議論が出来たように思える。私も、長崎丸での観測による栄養塩の分布や、台風と生物生産、衛星で観測した濁りと生産の関係の3つの話をした。懇親会は博多の夢鴻艪、泊まりは祇園のドーミーインに。

2011年2月22日火曜日

JAXA-水研共同研究発表会

2月21日はJAXAと水産総合研究センターの共同研究の発表会に出席した。この発表会はJAXAがADEOS(みどり)を打ち上げるのに合わせ、15年前から続いているらしい。私もこの数年出席している。水産総合研究センターの水産研究所と地方の水産試験場から数名ずつが、海色リモートセンシングを利用した研究について発表し、JAXAからはアルゴリズムの進展状況や、水研のデータで検証をした結果が報告される。私は今回は、日中韓の光学データセットを集めて作った黄海・東シナ海のSeaWiFSデータセットと、それによる春季ブルームの状況についてと、エチゼンクラゲの発生と水温の関係について話をした。大分水試の宮村さんは赤潮のプロジェクトについても話をしてくれた。GCOM-Cの打ち上げが徐々に近づいてきたためか、あるいは共同研究契約をまた来年度から結び直すためか、今回は出席者が多かったような気もする。終わった後は東京駅のしゃれたBar of Tokyoでビールを。22日朝から福岡なので、何度か泊まっている羽田に近い蒲田の黒湯温泉に。

2011年2月20日日曜日

卒業生来名


2月19日は愛媛から長崎時代の卒業生のYEさんが遊びに来た。彼女は大手の分析会社に就職した。研究室の時には、新品の栄養塩のオートアナライザーをほとんど一人で立ち上げ、有明海の航海もハードな計画を立ててみんなをうまく使って乗り切っている。就職試験では分析大好きで攻めたようだが、今はマニュアル作り等で直接の分析からは離れているようだ。それでも楽しそうだ。近々御結婚ということでおめでたい。飲み会は在学生の4名とYEさん、名古屋在住の卒業生WAさんと。WAさんも相変わらず元気だ。他の名古屋在住の卒業生や先日連絡をもらった前の航海士にも声をかければよかった。
栄の伍味酉本店にて

2011年2月16日水曜日

伊勢湾観測

2月15日は名古屋港から伊勢湾の観測に。昨日雪が降って心配だったが、朝にはかなり解けていた。それでも風は強く、あまり南までは行けず、2測点しかできなかった。船は甲板は狭く、舷がほとんどなくやや怖いが、足は速く、船室は快適だ。学生のOT君は大分船に強くなったようだし、自分の観測ということで船の上でも、帰ってからの分析も頑張った。
風で煙が真横に。写真では見えないが白波も多かった。

2011年2月12日土曜日

誕生会

10日は珍しく大学にずっといた。主に学生の指導と、もう来年度の予算申請準備。
まだ少し早いが私とTT君のために今月の誕生会。定番の大学傍のCafe Dawnyのケーキをみんなで。研究室でのパーティなどの話をする。前任の才野研時代の話なども聞いた。これから長崎大から来た学生が減り、新しい学生、特に中国人が増えていく。この中でどう研究室としてのコミュニケーションを保つか課題だ。
赤潮で雇っている長崎大時代の学生でもあるインドネシア出身のESさんがマレーシアに就職しそうだ。私も以前訪ねたことのあるUTMで、インドであった Peterと同じ場所だ。この春で修了するSTさんに、1年間はこちらの枠で頑張ってもらうことに。

2011年2月9日水曜日

東京大学大気海洋研究所研究船共同利用運営委員会

9日は東京大学大気海洋研究所研究船共同利用運営委員会があった。以前新宿にあった海洋研究所が気候センターと一緒になり千葉に移動して、初めて行くことになった。常磐線の柏の葉キャンパス駅からさらにバス。今回は時間があったので、30分ほど歩いた。昔のつくばを思わせるだだっ広さだ。やや遠い。
委員会は白鳳丸、淡青丸の二隻のあり方に関する会議で、これらの船は昔所属も海洋研究所だったが、現在はJAMSTEC所属で全国共同利用施設として大気海洋研が管理している。来年の白鳳丸の運航経費不足や淡青丸の運航委託や代船の問題などの議論があった。他のJAMSTECの船とは異なり、大学を中心としたボトムアップの研究のための研究船として今後もぜひ頑張ってほしい。ただ予算はいろいろな意味で厳しく、利用者も何らかの形で一部を負担をしていくことも必要かもしれない。私自身、院生の時に乗船した白鳳丸、淡青丸で人生が決まったといってもよいぐらいで、日本の海洋研究教育には非常に大切な存在である。
それにしても2時間の予定が3時間を越え、富山の張勁さんは帰れなくなってしまった。柏であるのであれば、もっと早めに会議を終えてほしいし、場合によっては1泊が必要だ。次回の春の学会はここであるので面倒だ。
広い東大柏の葉キャンパス右の奥が大気海洋研究所、左は図書館

2011年2月8日火曜日

GCOE中国打ち合わせ

大学に戻って、GCOEの中国でのORT(Onsite Research Training)の打ち合わせを行なった。今年度はあまり参加が出来なかったが、来年度はもう少し主体的にやりたい。希望としては長崎丸での東シナ海航海をこれにあて、希望学生に乗船してもらうのもよいと思っている。これから中国人留学生も増えそうなので、その意味でも大切だ。
 その後は、研究室に戻って学生の指導、書類書き等。

2011年2月7日月曜日

大型クラゲ国際共同調査事業成果報告会

3月7日は大型クラゲ国際共同調査事業の成果報告会だった。これはエチゼンクラゲの発生状況を調べ、予測するための水産庁の事業で、水研センターがまとめており、自分も事業実施者としての参加している。昨年は幸いにしてエチゼンクラゲの発生数は少なく、被害もほとんどなかった。2002年から大量来遊が続いていたが、2008年と2010年だけは極端に少なく、これは黄海・東シナ海での発生が少なかったためとの報告があった。
 われわれも7月の長崎丸航海で、その少なさは確認していたため、そのことを報告した。またなぜ昨年は少なかったのかという疑問に、5・6月の低水温が関係しているという仮説が、2008年だけでなく、2010年にもあてはまったことを発表した。一方で2001年以前の水温はそれ以降の大発生時とそれほど変わりなく、水温以外におそらく富栄養化による餌の増加が関係し、実際に衛星で観測しているクロロフィル(植物プランクトン)が増加していることについても述べた。今年度からは中国での調査も開始され、ますます研究が進展することが期待がされるところである。

昨年はクラゲの発生少なくて、餌はあっても寒すぎたかな?

2011年2月4日金曜日

海洋環境調査モニタリング委員会

4日は環境省の海洋環境調査モニタリングの委員会があった。この委員会は、もともと日本が行なっていた海洋投棄の処分場のモニタリング目的で、環境省が30年ほど前から行なってきたものである。最近は、海洋投棄が少なくなったこともあり、縮減される予算の中、周辺諸国からの汚染なども考慮しつつ行なっている。一方、予算執行がある意味厳格化しすぎている中で、毎年決まった会社が受注できない可能性があるなど、不安定な状況もあるが、限られた予算なりにはしっかりとやってきている。
個人的には、ずっと都合がつかず、委員会に出席したのは数年ぶりかもしれない。このようなモニタリングにも衛星リモートセンシングの情報を利用できそうな点を意見し、また先日の海上保安庁の委員会と同様に中国側から来る水をどのどのようにモニタリングするかの観点で発言した。

2011年2月3日木曜日

博士公開審査会

3日は博士論文公開審査会を行なった。今回予備審を受けた3名のうち、2名の審査会を行なった。審査会では40分ほどの発表に20-40分ほどの質問時間を設けてある。二人とも予備審からさらに発表内容を改良し、とてもよい発表と質疑を行なうことができ、無事OKが出た。最終的には教授会で判断されるがまず問題ない。
外部審査委員としても、九大応力研の松野さんと北大水産の平譯さんに来てもらった。夜は両委員も含め、研究室のメンバーと「赤から」でお祝いをした。

2011年2月1日火曜日

修論発表会

28日と1日は修論発表会だった。今年は、長崎大学から名古屋大学に入学したTT君が発表した。彼は有明海の流動とプランクトンのことに興味があったため、HFレーダーと呼ばれる測器で5年前から有明海で測定されている海面の流れのデータと、赤潮の移動の関連を調べた。有明海は潮汐が大きいことが知られているために、まず潮汐を取り除き、基本的には南向きの流れが卓越しているが、夏には熊本沖や湾奥に渦構造が発達することを見つけた。また、熊本沖の赤潮の移動について調べたところ、赤潮がこの流れによって移動しており、渦がない時には南に移動するのに対して、渦があるときには移動が遅くなりそうであることがわかった。この結果やこのような手法は赤潮の被害を軽減することに利用できる可能性がある。20分発表の後に10分の質問があり、多くの先生からいろいろな質問がされ、何とか解答し、無事卒業できることになった。