2013年2月15日金曜日

大型クラゲ国際共同研究成果報告会

2月14日は大型クラゲ国際共同研究成果報告会だった。この研究は今年度で4年目の一区切りで、来年度からの予算が心配だったが、おそらく事業は継続されそうとのことで一安心。この4年間はエチゼンクラゲの発生が少なかったが、ようやく、韓国、中国との国際協力もしっかり進み、モニタリング体制もしっかりし、長江河口沖で幼生が発見されるなど、進展があった。私たちの研究グループとしても、大型クラゲが最近あまり出ないことと春先の水温の関係が見えてきたことは大きな進歩である。一方で、水温によって餌とのタイミングの差が生まれることがその原因となるという仮説は現状では否定された形になったが、それはそれで仕方がない。もちろん我々の見ている植物プランクトンと、直接の餌である動物プランクトンは違う可能性もあるので、まだまだわからないことばかりだ。どうしてエチゼンクラゲが2002-2010年だけで出ていたのかを明らかにするべく、今後研究が継続されることが期待される。

2013年2月12日火曜日

JAXA-水研共同研究発表会

2月12日はJAXA-水研の共同研究発表会に出席した。我々のグループでは、愛知県水試との協力で行った、衛星で測定された伊勢湾のクロロフィルaの誤差が、黄砂など広い範囲での大気補正の誤差によっておこっている可能性、そして完全ではないがそれを補正するための方法の提案について発表した。私の研究室からJAXAに行ったY君は、我々の研究室も観測の手助けをした青森での誤差の話をした。他にも、先日博士をとったAさんや西海区のS君、長崎水試のTさんなど、一緒に仕事をしていた人たちがほとんどだ。、その意味で、、少し世界が狭すぎるように思える。もっと広げていかなければいけない。

2013年2月6日水曜日

九大応力研研究集会「東シナ海の循環と混合に関する研究」

2月5日は私が代表となっている九大応用力学研究所研究集会「東シナ海の循環と混合に関する研究」だった。今年は1)東シナ海における栄養塩の循環と混合、2)基礎生産に関わる栄養塩の供給の二つのテーマで、東シナ海の大きなスケールでの栄養塩の循環と、ローカルな基礎生産への栄養塩供給に焦点をあて、名古屋大、九大、長崎大、富山大の研究者で議論をした。いつも短い時間での発表会になってしまうので、今年はそれぞれ1時間近い時間をかけてじっくりと議論を行った。おかげでそれぞれの内容について比較的理解が進み、さらに1)では台湾海峡からの流入や底質からの供給の問題、2)では亜表層クロロフィル極大の成因や維持への栄養塩の関与の仕方など、それぞれの中での問題点が明らかとなってきた。さらに1)と2)をつなぐ黒潮起源の栄養塩の関与やNP比の問題などの内容まで、全体が見えてきたように思えた。そろそろ論文としてまとまりそうな内容が多くでてきている。

2013年2月2日土曜日

修論発表会

 1月31日、2月1日は修論発表会だった。研究室からもO君が「伊勢湾におけるクロロフィルaの長期変動解析のための海色衛星センサーSeaWiFSとMODISデータの改良」という題の研究を発表した。伊勢湾での衛星クロロフィルの検証を行ったところ、しばしば過大評価があり、この時に短波長側の海面からの輝度が負となっていた。これは大気補正の誤差によるが、春先の黄砂もその一つの要因となっていた。この負の値を単純な方法で補正してやることで、クロロフィルの誤差は減り、またSeaWiFSとMODISの差も小さくなったが、まだ十分ではなかった。さらに輝度を補正し、統一した手法でクロロフィルを計算するようにすることで、15年以上にわたる共通のデータとして利用ができるようになりそうになった。
 黄砂の影響は以前から知られてはいたが、これほど日本周辺のデータに影響があることは確かめられていなかった。今回の仕事によって、栄養塩の負荷削減等によってきれいになっているといわれる伊勢湾が、本当にきれいになっているのか、河川水や気象条件によってどの程度植物プランクトン量が変化しているかなどがわかるようになりそうだ。中国からの大気汚染の影響は最近特にニュースをにぎわしているが、海の測定にも影響がありそうだ。
 夜はご苦労さん会でトリノ助、二次会はベルギービールと思ったらいっぱいだったので、パラゴンでカクテル。昨日は、東大大気海洋研のU先生が来たので、O先生、T先生と鳥勤へ。今週は、長崎で二晩、東京で二晩、名古屋で二晩の連続でちょっと飲みすぎ。