2012年2月22日水曜日

GCOE中国ORT発表会

2月22日はGCOEの中国ORT(On-site Research Training)の田舎班、海班の発表会があった。田舎班は実際に中国の郊外に行き、人々の生活の変化や水質などを調べてきた。水田がなくなり、養殖場がどんどん増えていることには驚いた。これは周辺の都市化で上海ガニの需要が高まったことによっているようだ。上海ガニにはトウモロコシを餌にしているとか。海班は昨年長崎丸で東シナ海に行った時の化学分析結果と台風による風による水温や混合層の応答に関して、二人の学生が発表した。彼らは海洋分野ではない学生で、船には初めて乗船し船上でも頑張っただけでなく、その後の分析・解析でもとても頑張った。低塩分水でTNが高いことや、台風の影響の風で潜熱フラックスが増加して低温化した可能性など興味深い。博士後期課程であることもあるが、みんな短期間によくこれだけまとめたものだと感心させられた。

2012年2月21日火曜日

JAXA-水研発表会

2月21日はJAXAと水研センターの共同研究発表会。
前半は水研センターでの最近の研究の発表。中央水研のクロマグロの遊泳モデルに衛星クロロフィルを入れる話は面白いが、やや疑問な部分も。沿岸ブイと複合衛星の水温の比較は意外にあっていて驚いた。西海区のKT君は、北西太平洋の春季ブルームの経年変化についてまとめた。魚の生存とつながればとても面白くなるはずだ。西海区水研のKYさんは東シナ海で問題となっている渦鞭毛藻類の分布について面白い発表をした。植物プランクトン色素の分布に関しては、こちらでやっていることともつながるので、ぜひ一緒にやる方向で。やはり西海区のSH君は、溶存有機物の色からもとめた塩分分布についてで、これは物理面とつなげるともっと面白くなるはずだ。
後半はJAXA側でまず、MH君がGCOM-Cの状況や水研のデータとの比較等について。YH君は陸奥湾のクロロフィルと衛星の比較で、秋が合わないとのやや驚きの結果を。私は、PIとして赤潮アルゴリズムと韓国の静止衛星の状況について話した。東海大のTMさんは、濁った海域での大気補正手法について話をした。これが早く実用化してほしい。
こうやって見ると、私も教育に関係した人が多く頑張っており頼もしい。
懇親会はおしゃれなTokyo Barで。

2012年2月20日月曜日

環日本海環境委員会

2月20日はNOWPAPの活動への助言のための、環日本海環境協力センターの委員会へ。当初、有害藻類ブルームとリモートセンシングから始まったこの委員会も、徐々に富栄養化と生物多様性にシフトしてきているが、今回は有害藻類ブルームとリモートセンシングの2回目が出来上がった。リモートセンシングに関しては、この5年間で韓国の静止衛星が上がるなど大きく状況が変化し、応用も広がってきていることが実感できる。また富栄養化の1回目のレポートもできて、今後この活動は海域全体の評価に続いていくことになる。センターではリモセン技術で、三陸の藻場調査もおこなっており、これも応用に発展が期待できそうだ。

2012年2月18日土曜日

赤潮プロジェクト最終打ち合わせ


2月17日は赤潮プロジェクトの最終打ち合わせを、別府の大分県農林水産技術センターで行った。大分県、東大、瀬戸内水研に参加してもらったこのプロジェクトも2年半が終わってしまう。この2年間は大分県では大きな赤潮が起きず漁業者には幸いなことであったが、研究としてはやや物足りない部分もある。しかしそれでも、経験的でまだ検証と改良が必要ではあるが珪藻と有害な藻類を分ける手法を開発し、ホームページで公開し、現場での効率的な観測方法も確立された。またプランクトンのグループを光学的に判別できる可能性についてある程度のめどがついてきた。さらに赤潮のモニタリングに衛星を利用することを各県の水試レベルでかなり興味を持ってもらい、ネットワークが広がったことは成果として大きかった。また大分県ではまだ様々赤潮を観測する機会がありそうで、マイクロスケールの現象の研究可能性について話ができたこともよかった。もちろん、このプロジェクトで別府の温泉に何回かいけたことも楽しかった。またぜひこのようなプロジェクトの機会を作りたいところだ。


別府の海地獄。もうもうと出る湯気の下に美しいエメラルドグリーン。

2012年2月7日火曜日

東シナ海の循環と混合に関する研究集会



201226日(月)・7日(火)に九州大学応用力学研究所において、東シナ海の循環と混合に関する研究集会を開催した。出席者は名古屋大学地球水循環研究センターと九州大学応用力学研究所の他、愛媛大学、長崎大学、富山大学であった。6日は物理過程と生物・化学過程の2つのセッションを設け、物理過程では混合層中での乱流エネルギーの見積もり、黒潮への渦や台風の影響、海洋の海上風の励起に関して、生物・化学過程は主に亜表層クロロフィル極大と栄養塩躍層、低酸素水塊、栄養塩の循環に関して話題提供があり、議論を行った。7日は今年予定されている共同研究航海に関して打ち合わせを行った。