2014年12月12日金曜日

第11回日韓海色ワークショップ

 2014121112日に、名古屋大学地球水循環研究センター計画研究「静止衛星海色センサーを利用した沿岸域の流動・生物生産・物質循環に関する研究」の一環として、北海道大学大学院水産科学研究科からの提案により、韓国海洋科学技術院で第11回日韓海色ワークショップ(KJWOC)を開催しました。今回は口頭発表29件、ポスター発表15件で、111名(日本9、韓国97、中国3、台湾2)の参加がありました。韓国が世界に先駆けて静止衛星海色センサー(GOCI)を打ち上げてからすでに4年がたち、着実に成果を上げており、興味を持つ研究者もさらに増えてきていることがわかりました。ただ、大気補正や検証用の現場データの収集の問題を初めとして、まだ国内だけでは解決できない問題も多く、日本の研究者の協力が大きな助けになっていました。地球水循環研究センターは2014年4月に、この静止衛星のデータ処理を行っている韓国海洋科学技術院韓国海洋衛星センターと学術交流協定を締結し、さらに日本と韓国の研究協力を推進することとしています。
 当研究室からは石坂の他、学生2名が参加して以下の発表をしました。
・大気補正の局所的な調整後の伊勢・三河湾の衛星クロロフィルの季節変動
・1998年から2012年の衛星クロロフィルデータを利用した北西太平洋での富栄養化の予備的評価:海色アルゴリズムによる比較
・HPLC色素による対馬海峡と東シナ海での植物プランクトン群集変動
・黄海と東シナ海の大型クラゲの経年変動:衛星データによる定量的な解析


日本からのプレゼント贈呈

2014年11月28日金曜日

勢水丸と中国からのお客さん

11月28日。今週初めから学生たちは勢水丸で伊勢・三河湾観測です。私は今回、3年後の白鳳丸の申請のプレゼンがあるために、残念ながら乗船はパスしました。今週はあいにくの天気で、昨日は晴れましたが揺れたようですが、それでも伊勢湾外以外では予定の観測ができたようです。今日は帰港日のため、朝から迎えに松坂港に行きましたが、今朝の海は穏やかでした。現在の船長は今年度いっぱいとのこと、これまでどうもありがとうございました。

午後は対岸の中部国際空港まで、これから半年間滞在する中国国家第二研究所の研究者HQさんを迎えに。HQさんは中堅ですが、黄海・東シナ海の植物プランクトンや基礎生産について研究しており、興味が近く、すでに何回か会っています。学生たちとも話をして刺激してくれるだろうと思います。


2014年10月30日木曜日

PEACEとCREASM-AP

10月27日から30日まで中国の青島の中国海洋大学に。一昨年名古屋で行った東アジア縁辺海のPEACEワークショップに参加した。ここでは、日本海・黄海・東シナ海の研究に関しての発表がされたが、今回は特に物理が多く、生物が少なかったのが残念だったが、生物現象に関連する混合などの議論が行われた。私の博士をとったTexas A&M大学で最近学位をとった中国人に会えたのは良かった。
またワークショップの後は、PICESのCREAMS-APを行った。こちらの中心の話題は、黄海・東シナ海の教科書的なレポートの編纂についてだ。あと1年で出版することとなったが、まだ著者が決まっていない章もあり、やや不安である。

PEACE ワークショップ

CREAMS-APのいつものメンバー

2014年10月22日水曜日

セミナーと新歓

10月22日は、NASA Goddard Flight CenterのStan Hooker博士がセミナーをしてくれました。彼は海表面、海中の光スペクトルを測定するための測器を積極的に開発しており、今回も最近の測器の開発状況について話をしてくれました。月光であっても海の色がわかるようになるというのは驚きです。夜は、Hooker博士の歓迎と、10月から新たに研究室にきた中国からの留学生YMさんの歓迎を金山で行いました。最近女子学生が多くなってきました。来年春にはもっと女子学生が多くなる予定です。




2014年9月29日月曜日

学位取得

9月29日。今日は長崎大学時代に社会人博士課程に入り、長くかかりましたがようやく博士を取得したTGさんが訪ねてきてくれました。名古屋で9月と6月に博士をとったWSさん、XYさんと4人で。みんな頑張りました。


2014年9月22日月曜日

研究室歓送迎会


SW君が博士をとって帰国します。これから頑張って下さい。
RNさんが新しい秘書として来てくれました。これからよろしくお願いします。
ES夫妻ももう帰国ですね。ノルウェーは寒いと思いますが健康に気を付けてください。
ES夫妻のお孫さんのHさん。モデル目指して頑張って。
卒業生のMK君も参加ありがとう。仕事頑張って。
AMさんのご主人も参加ありがとうございました。 





2014年5月27日火曜日

三河湾観測

5月27日は、はじめて船を借りて三河湾観測に。貧酸素に焦点を当てたM助教とPDのSさん、新人の光学測定のトレーニングのためのH君、T君、I さんの6名で、衣浦港から出港した。昨晩、ひどく雨が降ったが、今朝はすでに上がり、風も波もそれほどなく観測日和だ。残念ながら雲が多く、衛星観測は難しい。出港してしばらして矢作川の河口沖では、かなり出水で濁りがあった。一方、湾口では透明度が9mとかなり澄んでいた。夕方の帰りには、潮が満ちたためか、矢作川の濁った水は湾口の岸に張り付いていた。今回は観測できていないが、静止衛星で観測できれば、濁った水が動いていく様子が見れるはずだ。いくかの測点は、愛知県が設置している酸素のモニタリング装置の側で、機械が上下することを見ることができた。まだ貧酸素にはなってないが、これからひどくなってくる可能性があり、今度どのように防いでいくのか課題は多い。また今回ミズクラゲはほとんどいなかったが、赤クラゲがかなりいた。船長さんも実はクラゲの調査に長く携わってきたYさんだ。どうもありがとうございました。またよろしくお願いします。

観測ブイ

矢作川からの取水

2014年5月17日土曜日

研究室BBQ

5月17日は研究室BBQ。昨年に引き続いてまず朝、柳橋市場にいって、魚を仕入れ、朝飯を市場内で。その後、大学にもどってBBQ。今年の魚は、定番のオオアサリに、スズキ、タイラギ、みんな伊勢・三河湾産。それからハマチとカンパチのカマ。美味しかった。途中T研究室からも飛び入り、研究室訪問に来た学生さんも夜まで付き合ってくれました。いい研究室ですよ。



2014年4月29日火曜日

JpGU

4月29日は祝日ですが、パシフィコ横浜で日本地球物理学連合(JpGU)の会合。今回は航空機を利用した海洋観測に関する発表。日本ではほとんど行われていませんが、アメリカでは台風の時の大気海洋相互作用などの研究がやられています。気象学会では個別には多少やられており、大型研究計画に申請したのですが、重点計画まで残らなかったので、次回を狙っています。名古屋大学は以前から、航空機の拠点となる可能性が期待されています。海洋では、以前はAXBTと呼ばれる使い捨ての水温計が使われていましたが、最近は自動昇降フロートを落とすことも行われているようです。大がかりですが動き出せば、いろいろな応用が期待されます。高校生セッションでみんな熱心にポスター発表をしているのにはびっくりしました。


2014年4月16日水曜日

ISRS(韓日台リモートセンシング学会)

15日午前中に青島で会議が終わってから、仁川経由で韓国釜山に移動。釜慶大学校で開催された韓国・日本・台湾のリモートセンシング学会のシンポジウムISRSに。まず16日の招待講演で「海色からみた黄海・東シナ海の環境変化」について、17日は韓国の静止衛星GOCIのPIセッションで「GOCIの高頻度データで見た東シナ海の台風への植物プランクトンと懸濁物質の変化」について話した。また、GOCIを運用している韓国海洋研究院の海洋衛星センターはもう10年前から交互にワークショップをやっているが、今回初めて正式にセンターどうして協定を締結した。韓国側は若い学生が多く、女性も多く、活気があるように見える。



韓国衛星センターのParkセンター長は以前JAXAで研究員をしていた。

2014年4月15日火曜日

CREAMS-AP

4月13-15日は青島の中国科学院海洋研究所へ。北太平洋科学機構(PICES)のCREAMS-APです。まず14日午前中は、私と韓国海洋科学技術院のJH Leeさんが、セミナーをしました。私はXu君の博士論文であるエチゼンクラゲの話を、この研究所の所長で動物プランクトンの研究者でもあるXX先生がわざわざ聞きに来てくれました。午後は黄海・東シナ海の海洋学の総説もしくは教科書を書くことに関して、大体の章立てと執筆者を決めました。15日午前中は、日本・韓国・中国の研究所状況報告と日本海の報告書の今後について話をしました。午後からは、今度は韓国です。
青島はちょうど桜が満開、14日朝に近くの講演に花見に行きました。日本のように宴会はしていませんが、多くの人でにぎわっている感じでした。青島は昔は空も海も青かったらしいのですが、今は空は相変わらずどんよりです。





2014年4月11日金曜日

お客さんと新歓

4月11日は、中国から来ているフロリダ州立大学名誉教授の海洋物理学者Hsuye先生がセミナーをしてくれました。東シナ海の浅瀬で冬場になぜ濁りが高いのか、我々の衛星データを見て、沿岸からの流れができているのではないかと仮説を立てて理論的に考えてくれました。やや難しい内容でしたが、易しく語りかけるセミナーに学生たちも刺激になったようです。
夜は栄で新歓も兼ねて飲み会だったのですが、私はまさかの風邪でダウン。乾杯だけで失礼しました。残念。今年は滋賀県立大学から2名の学生さんが入りました。




2014年3月30日日曜日

海洋学会

3月26-30日は品川の東京海洋大学で海洋学会の春季大会に出席しました。自分はK君が修論でやった韓国の静止衛星海色センサーGOCIを東シナ海の台風に応用した話をしました。結構、みなさん興味を持ってくれて、来年度の共同研究に応募してくれることになりました。学生はXu君が口頭発表、Wang君、Zhu君、Kittyさん、林君がポスター発表をしました。

Xu君がエチゼンクラゲの論文で若手奨励賞をとり、恩師の高橋先生は名誉会員になられました。


2014年2月24日月曜日

環境省モニタリング

 2月25日の午前中は、環境省のモニタリングの委員会であった。今年度この時期に第1回目になるというのは、なんとも遅い。2012年の東シナ海でのモニタリングの結果や現在行われている今年度の観測、来年度以降の計画などを議論した。

 この仕事とは直接の関連はないが、准教授の森本さんが出していた地球環研究境推進費の日本海の生態系モデルの課題が採用された。NOWPAPには長い間協力してきているが、日本海の仕事もこれまで以上に力を入れてやっていく必要がある。ただ、研究費が非常に少ないのは困ったものだ。

 NPECの寺内さんの衛星による富山湾の富栄養化のモニタリングの論文も受理された。
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10872-014-0222-z
さらに、長崎大学の梅澤さんの東シナ海の栄養塩の同位体の論文も受理された。
http://www.biogeosciences.net/11/1297/2014/bg-11-1297-2014.html

JAXA・水研

 2月25日午後は、JAXAと水産総合研究センターの共同研究発表会に出席した。初めに水研側から、東シナ海の塩分分布の推定(森永)、SuomiNPPデータのデータ利用(岡崎)、有明海の赤潮の増加原因(清本)、対馬暖流とマアジ漁場(安藤)、長崎近海のクロマグロ幼魚と水温、クロロフィルの関係(高木)について、発表があった。次いでJAXA側として、GCOM-C1の状況とバイナリデータの利用法(村上)、大分沿岸の有害藻類ブルームの光学特性(山口)、東シナ海の植物プランクトン群集推定(石坂)、日本周辺の衛星観測頻度(虎谷)について話題提供があった。
 打ち上げが16年度末という可能性が強くなり、フィールドキャンペーン等の具体的な話が出始め、研究者も緊張感が高まってきたように思えた。一方で、実利用の分野での体制がまだ充分整っていないことが気になる。この2年間でいろいろな意味で頑張っていかなければならない。
 今回、発表した内容の一部は学生のWang君がBiogeosciencesに投稿しているものだが、最近受理されたようだ。ホームページではまだBiogeosciences Discussionだが。
http://www.biogeosciences-discuss.net/10/14475/2013/bgd-10-14475-2013.html

2014年2月18日火曜日

宇宙・海洋連携

2月18日は午前中学内で会議、その後から東京で宇宙・海洋連携の会議に出席。一昨年から継続している海洋分野での宇宙利用を進める会議で、今年は3回目だが、都合がつかず前2回は欠席。資料は見ていたが余り状況がつかめていなかった。出席した印象は、大分議論は進んでいる。しかしどうもいつもながらデータ供給側の意識が強く、現場で利用する側の視点が足りない。間を取り持つ我々の研究者の頑張りも重要である。会社の人が入ってくれているのは期待ができる。またGCOM-Cの打ち上げが近づいてきているがそことの連携、過去のデータをどうするかなどまだ課題が多い。このあたりはデータ供給側で頑張ってもらう必要がある。

2014年2月12日水曜日

大型クラゲ国際共同研究

 2月12日は大型クラゲに関する国際共同研究の委員会に出席した。昨年は春先に黄海・東シナ海の水温がやや高く、中程度に発生が見られので、大発生が心配されたが、その後は日本に被害を及ぼすほどの大発生はなかった。これに関しては、我々の水温での説明とある程度は対応しているように思えるが、上さんのフェリーボートのデータも蓄積が進んできたので、定量的な議論を進める必要がある。
 昨年は7月に長崎丸だけでなく、中国海洋大学の船に留学生のXu君が乗船し、黄海・東シナ海のデータが取れたので、クラゲの目視観測と水温・塩分での水塊分布を関連づけ、さらに衛星の水温と数値モデルを利用して、この分布がどのように広がったかの推測をした。その結果、黄海で見つかったエチゼンクラゲはほとんど江蘇省で4月後半から5月初旬にかけて発生した可能性が明らかとなった。一方で長江河口周辺で見られたクラゲはモデルの精度の問題もあり、まだはっきりとしなかった。この結果はすでにXu君が投稿し、学位論文にも含められている。
 委員会としては、衛星水温の経年変化等で簡単に大発生が予測ができる指標を求められた。なかなか難しいところではあるが、試みる必要がある。今年ももうすぐクラゲがでてくる時期が近づいている。
 Journal of Oceanographyで出版されたXu君の経年変動の論文は、日本海洋学会の若手奨励賞を受賞することになったそうだ。喜ばしい限りである。
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10872-013-0189-1

2014年2月8日土曜日

九大研究集会

2月7・8日は九州大学応用力学研究所の共同研究集会「東シナ海の循環と混合に関する研究」に参加した。名古屋大学、九州大学の他、長崎大学、富山大学、愛媛大学、福岡女子大学からも参加があった。主に、これまでずっと続けている夏の東シナ海の済州島南海域の調査結果に関しての発表と議論を行った。長江希釈水の関係でN/P比が高い水があり、それと物理・生物組成の関係など大分情報がそろってきたように思う。またこれまでにとった観測データについても、お互いに利用できるように情報を共有化する方向で議論が進んだ。
 8日は東京等では大雪になった。帰りが心配だったが名古屋は問題なく無事に帰宅。