2013年1月30日水曜日

GCOM-C PI会議/宇宙基本計画


 1月29日、30日は東京で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の次期地球観測衛星GCOM-CのPI会議。このセンサーは250mの解像度でほぼ毎日、地表面の色と温度の観測が可能である。私はこのセンサーのために、赤潮と基礎生産の推定手法の研究を行っている。特に、赤潮に関しては、日本でも沿岸域での養殖業や環境管理の面から、期待が高まっているし、基礎生産も漁業管理や温暖化による気候変動を理解するために、必要不可欠な観測項目である。
 しかし科学以外の話題となったのは、先日政府が出した宇宙基本計画の中で、地球観測の重要性もうたっていながら、一方でGCOM-Cも含めていくかの衛星センサーの計画見直しが指摘された点である。地球の観測は科学技術を重視する先進国としては、世界的貢献を含めて積極的に行ってゆくべきであるし、沿岸管理にもGCOM-Cは期待されているため、これまでやってきた研究を捨てて、中止するにはあまりにももったいない。どうも政府はすぐにお金になるように見えるセンサーや、防衛のためと言いつつ何が出ているかもわからない衛星にお金を使おうとしているようだ。これらの衛星やセンサーこそ見直しが必要なのではないだろうか。

2013年1月29日火曜日

長崎大学位審査

1月28日は、長崎大学に残してきた二名の社会人博士の公聴会・審査会があった。福岡県水産海洋技術センターのAさんは「玄界灘における対馬暖流の流動変化が漁場形成に及ぼす影響に関する研究」、水産総合研究センター西海区水産研究所のKさんは「河口及びその周辺海域における植物プランクトン生産の変動要因に関する研究」というタイトル。Aさんの仕事は、衛星による表面水温から対馬暖流の位置を推測し、アジとケンサキイカの漁場と比較した内容で、二種の漁場形成過程の違いが明らかになっている。Kさんの仕事は、有明海の光環境と栄養塩環境、東シナ海の栄養塩環境の変化と赤潮との関連を述べたものだ。二人とも社会人ということで、大分時間がかかったが、うまくまとまってくれてよかった。長崎大で私の後に面倒を見ていただいたN先生に感謝。最後の一人にも早く終わってもらいたいところだ。
前日は卒業生のS君、Yさん、K君と飲む。みんな社会人も長くなってきて大分貫禄がついてきた。当日の後はN先生行きつけの駅前の二軒で長崎の美味しいお魚を。

2013年1月8日火曜日

洋上風力発電セミナー

1月8日は洋上風力発電に関するセミナーがあった。環境学研究科の寄付講座のY先生がやられている内容だ。原発事故以降自然エネルギー普及が望まれているが、その中で風力発電についても注目が集まっている。陸上では最適な立地の多くない風力発電も、洋上であればよい場所も多いはずだ。一方で、日本にとって重要な水産業にとって洋上風力発電所の建設は問題にないかねない。単にお金の問題だけでは済まされない、洋上風力と水産業の協力した地域開発の必要性を考えさせられた。

ちなみに安田先生は東大海洋研出身で、私も大学院生の時に白鳳丸でご一緒したことがあり、名大での30年ぶりの再開には驚いた。