2013年10月23日水曜日

中国海洋大でのNOWPAPトレーニング

 10月22・23日は中国青島の中国海洋大学でNOWPAPのリモートセンシングのトレーニングコースに講師として参加した。このトレーニングコースはNOWPAPのCEARACでリモートセンシングを利用した海洋環境把握をテーマとして位置付け、何をやるかの議論開始時から関係したもので、7年前に当時私のいた長崎大学がホストとして第1回、韓国海洋研究院がホストで済州島で第2回、ロシアの太平洋研究所と極東大学がホストとなってウラジオストックで第3回を行い、今回は中国海洋モニタリングセンターと中国海洋大学がホストとなって開催された。これでNOWPAPの4か国を一回りしたので、一段落であるが、今後もぜひ続けてほしいところだ。
 今回、私は基礎生産と富栄養化をテーマにした講義をおこなったが、前日の昼過ぎに入り、当日も講義が終わると早々に帰国するあわただしい状況であった。それでも、学生はかなり熱心で、先生を知っている華東師範大学の学生さんなど、今後も研究のつながりが出来そうだ。また、ホストとなった中国海洋大学のリモートセンシングセンターには、千葉大で仕事していたZhaoさん、JAXAで仕事をしていたChenさん、引退はされたが毎日9時から21時まで仕事をされているというHe先生など以前から知っていた人が多く、こちらとも今後協力して行く方向で話ができた。
 今回のトレーニングは青島のダウンタウンにある中国海洋大学の古いキャンパスで行われた。中国海洋大学の新しいキャンパスについては、この春も含めて何度か行っているが、こちらのキャンパスは初めてであった。主に水産系のグループがこちらのキャンパスに残っているらしい。建物も古いものが多い。正面玄関の前にある62楼は日本が昔中学校として建てたそうで、古いながらもしっかりしていてきれいな建物だ。大学を含め中国らしく町全体で工事が多く、大気もやはり煙った感じではあるが、次回の時にはゆっくりと来たいところである。


コースが行われ宿泊所もついた交流会館

 日本のたてた62楼


2013年10月9日水曜日

三河湾環境再生プロジェクト推進委員会


8日は、水試の人などと打ち合わせに県庁のそばまで来たので、愛知県の三河湾環境再生プロジェクト推進委員会第3回を傍聴した。委員の有識者にはよく知った先生方も多いが、NPOや民間企業等の人たちも多く、科学的な議論の場とは大分違った雰囲気だ。

三河湾の魅力を一層高めるための方策、多様な主体の連携・協働による再生取組、干潟・浅場の保全・造成についてなど、委員の意見をまとめるとともに、11月中には、様々な人を呼んで、連携・協働と干潟・浅場に関する二つのワークショップを開催するようだ。漁協長さんのいる中で、漁民のために海岸線に入れない事があるなどの議論があったり、多様な人たちの多様な意見が入り混じる。

一方で、環境再生に関する科学文献情報の概要に関して、私もよく知っている I さんが発表したり、下水道から流入する栄養塩をただ減らすだけでなく管理するという考え方や、伊勢湾シミュレーターを向上するにはどうしたらよいかなど、科学的な議論も少しなされた。
      
これだけいろいろな人が参加しても、科学的なバックをしっかり考えて進めようとするところは、改めて愛知県の水準の高さに驚かされた。どのようなまとめていくのか、S委員長の手腕が問われ興味深い。

2013年10月4日金曜日

日中韓IMBER

10月3,4日は東大で開催された日中韓の海洋生物地球化学と生態系の統合研究(IMBER)のワークショップに参加した。以前PAMSと中国海洋大学でお世話になったMaxさんが、このワークショップに参加するのに先駆けて名古屋大によってくれたので、一緒に東京へ向かった。Maxさんは生物が作った化学物質を測定することによって、現在の分布等を調べるとともに、過去の海洋環境を調べる専門家で、アメリカに長くいて最近中国に帰っている。中国は最近どんどんアメリカで活躍している優秀な研究者を呼び戻して、国内での研究・教育を活発化している。

日中韓IMBERには、まだ日韓GLOBECだった大昔に一度出席したが、その後随分と発展したようだ。今回は韓国からは、以前長崎丸に乗ってもらったKIOSTの学生とオーガナイザと二人だけの出席だったが、中国からは中堅、若手が多く来ていた。最近名前をよく聞く研究者も多く、特に生物関連で面白い発表も多く、とても議論が活発だった。日本の発表にも中国人学生やPDが多く、私も連れては来なかったがエチゼンクラゲと東シナ海の植物プランクトンの吸収に関して、二人の中国人学生の仕事を発表した。