2012年12月20日木曜日

大型クラゲ国際ワークショップ

 19日の第9回大型クラゲ国際ワークショップのために、18日夜から沖縄へ。残念ながら20日朝から大学で会議なので、19日1日だけ出席して懇親会も出られずに帰ってきた。ワークショップ初日の19日は、主に2012年の大型クラゲの出現状況とその原因の可能性について、日中韓の研究者が発表した。私は学生のXYJ君を含め3件の発表の司会をした。

 今年は、最近数年の中では黄海のエチゼンクラゲの量が多く、日本でも被害をもたらすのではないかと心配されたが、韓国では被害があったものの、幸い日本に来る量はあまり多くなく被害はほとんどなかった。一つの要因は夏場の風で黄海からあまりクラゲが来なかった可能性が発表された。一方で、我々は、エチゼンクラゲの発生には春先の水温が重要で、今年は冬場の水温が低かったのが春に急に上がったものの、大発生の年ほどではなかったことが関係したのではないかと考えた。XYJ君の発表には、研究やプレゼンテーションの参考になるいろいろな質問・コメントが出た。クラゲの大家のU先生をはじめ意見してくれた多く研究者に感謝したい。

 このワークショップは毎回、日中韓の同時通訳で行われるが、毎回同時通訳の人たちの力量にも驚かされる。英語で行う国際ワークショップとはまた違った暖かい雰囲気のするワークショップだ。懇親会に出られなかったのは本当に残念だ。

 1泊ということで、ついたのは遅かったが、ホテルの近くにあった魚料理のお店「ニフェ―デービル」に。刺身もおいしいうえに、隣のお客さんに泡盛までご馳走になってしまった。本当にニフェ―デービル(ありがとう)。次は仕事を離れて沖縄にゆっくりきたい。


海ブドウ、地ダコ、シャコガイ、タマン(ハマフエフキ)

2012年12月18日火曜日

忘年会等

12月17日。今日は午前中の学内の会議に続き、研究室のミーティングと学生の中間報告、大学院授業の海洋物理の本の輪読、さらには研究室の忘年会と大忙し。本当は海洋学会の将来検討委員会もあったのだが、失礼せざるを得なかった。忘年会はまたまたしゃぶしゃぶ。久しぶりに二次会に学生とカラオケに。留学生たちの日本語の歌がうまいのにはびっくり。


2012年12月15日土曜日

公開講演会

 12月15日はセンターの公開講演会。今回は大気海洋相互作用というテーマで、センターの坪木さんと森本さん、外部から三重大の立花さん、東大大気海洋研の渡部さんが講演した。坪木さんは大気海洋結合モデルによる台風の再現性などについて3次元のきれいなアニメを使って示してくれた。森本さんは台風が通過することによって、台湾近くの黒潮が変動する可能性について、衛星とモデルから示した。立花さんは最近の日本周辺の寒波が北極の氷が解けたことと関連がある可能性についてわかりやすく説明してくれた。渡部さんはエルニーニョという代表的な大気海洋相互作用について基本的なことを解説してくれた。
 いつもながら熱心なシニアの方々がたくさん集まってくれ、多くの質問で時間が延びるぐらいであった。冒頭にセンター長も述べたが、我々研究者の行っていることを一般にわかりやすく説明することは大切なことだ。惜しむらくは、今回も若い人があまり多くなく、今後何らかの形で宣伝をうまくやっていく必要があるを感じさせられた。

2012年12月10日月曜日

共同研究拠点協議会

 12月7日はセンター長代理として、全国共同利用・共同研究拠点協議会総会に。この会議は国立大学にある全国共同利用・共同研究拠点と認定されている研究所・センターの協議会で、名古屋大学では我々のセンターの他に、太陽地球環境研究所と学術情報センターが所属している。文科省から学術機関課長が出席して、特にこれから行われる拠点の中間評価と大学のミッション再定義に関して説明があった。拠点中間評価は全国共同利用・共同研究拠点としてどれだけコミュニティに貢献しているかが、大学ミッション再定義はそれぞれの大学の特色をどう出していくかが問われる。いずれもこれから資料をまとめるのが大変だが、重要である。
 懇親会では他の研究所の人と話をする機会が。学生の時によく行った筑波大学の下田臨海実験所の所長さんとも話をすることができた。彼自身は最近まで別の大学だったため知らなかったが、実験所の懐かしい話が聞けた。また実験をしに行くのもよいかもしれない。

2012年12月6日木曜日

伊勢湾航海

12月4-6日は三重大学の勢水丸で伊勢湾観測。寒波が来ていて風が強かった。
 伊勢湾では、表面採水すると何やらフワフワした塊と砂粒のようなものが。船で積んでもらった実態顕微鏡で見るとフワフワしているのは珪藻のChaetoceros sociles、ゼラチン質の中に群体が入っている。砂粒のようなのもやはり珪藻のCoscinodiscusと思われる巨大な円柱。湾口に近づくとフワフワの塊がドロドロした感じに。すでに増殖期が終わっているのだろうか。バケツの中でゼラチン質はいつまでもフワフワ浮いているが、ドロドロしたものや砂粒状のものはすぐに沈む。三河湾では、これらはあまり見られず、肉眼では見えないMesodinium rubraらしき繊毛虫が多い。これらは、衛星ではどう見えるのか、これらの生物の伊勢・三河湾の生態系の中での位置づけも面白そうなテーマだ。
 今回は北里大学の先生や学生さん、三重大学医学部の先生と一緒だった。勢水丸の方々には本当にお世話になった。風が強い中、学生も頑張って予定通りの観測ができてありがたい。
 前の晩は二等航海士のNさんと居酒屋で打ち合わせ。真珠貝、マンボウ、ウツボと伊勢の珍味がたくさん。

真ん中がC. sociles, 下がCoscinodiscus。100umのメッシュ上。

2012年12月1日土曜日

PEACE/KJWOC

11月28-30日は第6回東アジア共同実験(PEACE)海洋科学ワークショップと第9回日韓海色ワークショップ(KJWOC)を名古屋大学の共同利用研究の一環として開催した。
前者は2年おきに日本・韓国・中国・台湾・ロシアなどの研究者が集まって主に東アジア縁辺海の海洋学の共同研究について話す場で、今回は特に東シナ海で長崎丸でやっている航海の結果に関連した議論を中心に行った。
後者は日本と韓国の交代で海洋光学や海色リモートセンシングに関して話をしている。今回は運用1年を越している韓国で打ち上げた世界で初めての静止衛星(千里眼)海色センサーGOCIに関連して議論した。
当然それぞれの中での共同研究が進むうえで今回のワークショップは意味があったが、今回はこれまで別々で行われてきたこれらのワークショップを一緒に行ったことで、両ワークショップ関連者に情報交換をする場を与えられたことがよかった。
ただ日中関係の悪化のことも影響したのか、中国本土からの参加者がいなかったのは少し寂しかった。