2010年7月10日土曜日

授業補講

7月10日今日は土曜日だが、全学教育の補講日で、1・2時間目授業(大気水圏環境の科学)をした。先週は赤潮調査で、来週は東シナ海調査のために休講としたので仕方がない。今日は、動物プランクトンと食物連鎖、炭素循環について主に話をした。休みなのに、結構みんな出席してくれてありがたい。

三重大学練習船共同利用

9日は三重大学の練習船「勢水丸」の共同利用に関する委員会に出席した。水産系大学は、北海道大学、東京海洋大学、長崎大学、鹿児島大学の学部レベルの4大学のほか、広島大学と三重大学が練習船と呼ばれる実習船を所有して、学部生や院生等の指導に利用している。最近はその船を共同利用化して、有効利用使用という動きが盛んである。

私が以前いた長崎大学でも全国に先駆けて九州大学の学部・大学院や熊本大学などに利用してもらってきたが、最近はそれを制度化するということで、鹿児島大学と三重大学の船が全国共同利用施設となったそうだ。この委員会はその初めての委員会で、今年度の利用状況や来年度の公募に関して話を行った。

昨年度私も参加させてもらった名古屋大学理学部の伊勢湾の実習の他、今年度からは四日市大学の環境情報学部の実習も予定されているとのことだった。また、その他に、学部の授業の中に他大学からの学生も参加できる制度作りを行っているようで、意欲が感じられた。

昨年末の長崎大学の委員会の時にも書いたが、日本は海に囲まれているのに、あまりにも海についての教育の機会が少ない。その意味で、このような動きは、予算削減のために船を減らすというのではなく、どんどんその機会を増やすという方向で進むべきである。

2010年7月9日金曜日

大分赤潮観測


6月に続いて7月5-8日に、大分県農林水産研究センター水産試験場(大分水試)の豊洋に乗船し、赤潮調査を行った。梅雨の最中ということで、雨を心配したが、雨がひどくなかっただけではなく、7日(たなばた)に奇跡的にきれいな衛星画像を取得できた。朝は濃霧であったが、昼ごろには霧も薄くなったので期待していたところ、夕方には北大水産学研究科の斎藤研究室で受信したデータが名大地球水循環センターで自動処理され、ホームページ上に画像がきちんと表示された。


赤が別府沖の珪藻赤潮、青が赤潮でない海、黒はデータのない部分



この時期にリアルタイムで船と衛星の同時データが取得できたことは本当に幸運である。正直、不謹慎ではあるが、研究面では有害な藻類の赤潮も観測したいところであるが、それはまたの機会でよい。聞くところによると、鹿児島県の八代海では昨年に続いて、有害赤潮のChattonella antiquaによる大きな被害が出ているとのことだ。赤潮の被害削減にはまだ遠い。

今回の観測では先月以上に多くの機材を積み込み、豊洋の乗組員には御迷惑をおかけした。観測への協力に感謝したい。

2010年7月4日日曜日

日常

先週は出張がなかったこともあり、一度もブログを書いていなかった。

月曜日はセンターの臨時主任会の後、工学系の博士論文予備審査、統計教科書の輪読と、学生とのミーティングで進捗状況の確認をした。
火曜日は1限が授業で今回は植物プランクトンと一次生産の話をした。午後にPDのESさんが海洋学ゼミで、衛星を用いた東シナ海のクロロフィルa を求める経験的な手法開発について話をした。ここでも結構統計的なことが議論となった。
木曜日夕方に、名古屋大学の年代測定総合研究センターの委員会。
金曜日夕方には、MATLABの勉強会を行った。

これらの合間に、主に留学生のAHさんの相模湾でのブイによる観測の論文をかなり密な議論をしながら進めるとともに、17日からに迫った長崎丸を利用した東シナ海の韓国経済水域内での日中韓共同調査についての連絡や、太平洋海洋科学機構(PICES)の東アジア縁辺海循環研究アドバイザリーコミティ(CREAMS-AP)で9月に予定しているシンポジウムの準備連絡等を行った。あと10月のPICESに学生が発表する要旨のチェックも。

忘れていけないのは28日朝に韓国の静止気象海洋情報衛星、その名も千里眼、の打ち上げが成功したそうだ。これには世界で始めての静止衛星による植物プランクトンなど海色観測を行うセンサーGOCIが搭載されており、私もPI(研究者)として参加しており、日本周辺も頻繁な観測で海洋環境の把握ができることを期待している。