2011年5月15日日曜日

諫早開門調査について考えるシンポジウム

 5月15日は佐賀大学であった、諫早開門調査について考えるシンポジウムに出席した。裁判で5年間の開門調査の判決が下り、菅総理が控訴しないことに決めた諫早湾であるが、実際に開門調査は何をどうするのか、充分議論は行なわれていない。海洋学会の環境問題委員会で議論をすることになって、春の学会でワークショップをすることになっていたが、震災で開催されなかったため、佐賀大学での開催となった。
 佐賀大の速水さんが概要の説明、濱田さんが開門した時の流動モデル、本中央水研の佐々木さんが水質への影響、九大の柳さんが潮汐への影響、熊本県立大の堤さんが底質・底性生物への影響、東北大の佐藤さんが韓国での開門との比較について話をし、その後討議を行なった。物理過程でさえ、まだ専門家の意見が異なっており、ましては化学・生物的な予想は難しい。参加してくれた漁業者はいまさらと思っていたようだが、残念ながらそれが科学の現状である。有明海異変と諫早問題とは同じではない、ごく一部の開門をすることで完全にもとに戻ることは期待できないという指摘は共感できた。開門することは政治的に決定されているので、科学として開門調査によって何がわかるのかをさらにしっかりと議論していかなければいけない。ただ開ければよいというのは調査と名をつけるには問題がある。以前私も訪れた韓国の干潟では、セマングムでは諫早に続けといっていたのに対して、始華湖では水質悪化から潮汐発電所に切り替えた。原発も問題になる中、こちらも潮汐発電所に乗り換える手は無いのだろうか。
 終わった後は関係者と佐賀駅近くの恵水産で反省会、ムツゴロウは以前佃煮で食べたが、今回は炭焼きで。昨晩は博多のわらびでイソギンチャクの空揚げを初めてたべ、お土産にはこのところ少し取れているというタイラギの粕漬けを買った。これらの珍味がなくなってしまわないことを望む。飲み屋にアゲマキもおいてはあったが残念ながら韓国産だろうとのことだ。