2010年8月5日木曜日

東シナ海航海

7月17日から27日に長崎大学の練習船長崎丸で東シナ海に行った。昨年に引き続き韓国に許可をもらい排他的経済水域での調査で、PICESのCREAMS-APの活動と位置づけてある。今回は名古屋大(7名)以外に、長崎大(6名)、九大(6名)、富山大(2名)、神奈川大(2名)と、韓国の研究院(KORDI、2名)と済州大(1名)、中国から第一海洋研究所(2名)と華東師範大(2名)で総勢30名の大所帯だ。2/3は学生で教育としての役割も大きく、いろいろな技術と国際的な人間関係を学んでもらえたと思う。

ずっと梅雨の雨空だったが、航海が始まると同時に晴れ、おかげではじめの数日は衛星画像が取れた。その代わり2日目には熱帯低気圧のおかげでかなりゆれ、何名かはかなり厳しそうだった。狙いは長江からの淡水が周辺の水と混ざった海域で、どのように低次生産活動が行われているかである。まだ解析はこれからだが、追跡したブイ周辺では珪藻が増加したのちに減少し、休眠体を形成していたようだった。エチゼンクラゲ調査も重要であったが、出現した場所はわずか2箇所で数は少なく、大きさも昨年と比較するとずっと小さく、今年はエチゼンクラゲの出現は多くなさそうである。また途中で海上からはっきりと見える内部波に遭遇したことも印象深かった。
今年は小さなエチゼンクラゲ(昨年は

名古屋大学のスタッフに入れてもらった沈降粒子を捕捉するためのセジメントトラップが一時行方不明になり、海のゴミを増やしてしまったかと思ったが、船長をはじめとした船員さんたちの努力で無事見つかって回収できたことは本当によかった。今回は参加したグループ、人数ともに多く、また外国人も多かったことから、いろいろな調整がかなり大変であった。しかし、それだけの価値はあった航海であった。特に中国から初めて参加してもらったことは今後の協力関係を伸ばしていく上で大切だ。
途中行方不明になったセジメントトラップ、下に沈降粒子が入っている。

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