2010年12月16日木曜日

諫早干拓上告断念

諫早干拓の開門に関する裁判で、菅総理が上告をしない方針を固めたようだ。いろいろ大変な状況の菅総理だが、これに関しては思い切った決断をした。しかし、一方で干拓を推進してきた人たちの反応以外にも様々な問題がある。
諫早湾でおこっている漁獲減少や赤潮増加、貧酸素増加など様々な変化は、諫早湾の締め切り後には確かにひどくなっているが、多くはそれ以前から徐々に起きていることで、締め切りは最後のダメ押しかもしれないが、それだけで起きているわけでないと思っている研究者も多い。その中で、開門をすることによって、本当にもとの状態に戻るという保証は全くない。また現状の堤防の内側の調整池には、有機物と泥を大量に含む濁水がある。開門をするには、これをどのようにコントロールし、有明海自体の環境をさらに悪くしないかを考える必要がある。
海洋学会でもこのあたりを議論するという話があったが、まだ出来ていないため、早急にワークショップを開催するという話になっている。
ただ、このまま何もしないで、死んでいくのを見ているよりは、何らかの形で一歩進めることはよいことかもしれない。