諫早湾でおこっている漁獲減少や赤潮増加、貧酸素増加など様々な変化は、諫早湾の締め切り後には確かにひどくなっているが、多くはそれ以前から徐々に起きていることで、締め切りは最後のダメ押しかもしれないが、それだけで起きているわけでないと思っている研究者も多い。その中で、開門をすることによって、本当にもとの状態に戻るという保証は全くない。また現状の堤防の内側の調整池には、有機物と泥を大量に含む濁水がある。開門をするには、これをどのようにコントロールし、有明海自体の環境をさらに悪くしないかを考える必要がある。
海洋学会でもこのあたりを議論するという話があったが、まだ出来ていないため、早急にワークショップを開催するという話になっている。
ただ、このまま何もしないで、死んでいくのを見ているよりは、何らかの形で一歩進めることはよいことかもしれない。