12月7日に当センターの研究集会「沿岸域の海洋環境変動と生態系変動」(代表:東京海洋大学 石丸隆)を開催した。この研究集会は昨日開催したCREST/SORSTで東京海洋大学と名古屋大学が中心におこなってきた相模湾での研究・観測の現状をまとめ、今後をどうつなげていくかに関して議論するための集会であった。東京海洋大学から石丸さん・神田さんと大学院生3名、名古屋大学からAndreas・Sandric・EKO・三野・高橋が発表し、そのほか東京海洋大学から西川さん・津田さんも参加してくれた。
相模湾は東京湾からの水や黒潮の影響が頻繁にあり、単純な系ではないが、CREST/SORSTの10年にわたる研究は一次生産を中心にそこでの物理・化学・生物プロセスとそのつながりを明らかにできつつあると感じられた。CREST/SORSTは終了するが、相模湾では他にも多くの研究が行なわれており、それをつなげる必要があること、また比較沿岸海洋学の観点で他と比較した研究や、全体像を衛星とモデルであらわすことが必要であることなどが議論された。
また現在JAMSTECの才野さんが、私の筑波大時代の恩師で当時東京大学理学部の高橋正征先生が、伊豆沖湧昇の研究を行っていた時の1985年に川口湖で行なった集会の写真とメモを披露した。当時若手を中心に20年後(つまり今)までを見通した研究の方向性を的確に考えており、それがその通りに進んできたことは驚きに値した。最近外洋の研究は鉄や窒素固定などで大きな進展があるが、沿岸でも新たなビジョンを共有することが必要があることを感じられた。
この日はCREST/SORSTの代表である才野さんの誕生日であり、それをお祝いしながら議論が盛り上がった。