4月18日は中国杭州の第2海洋研究所でPICESのCREAMS-AP(北東アジアの循環研究アドバイザーパネル)の会議に出席した。韓国ソウル大のKR Kim、ロシア太平洋海洋学研究所(POI)のV Lobanovと共同議長をしているこの会議は、毎年秋のPICES年次総会で1回の他に1回集っている。今回は共同議長の3名以外に韓国海洋研究院(KORDI)からJH Lee、中国科学院海洋研究所(IOCAS)からY Fei、中国海洋局第2海洋研究所(SIO/SOA)からD Xuの6名が集った。出席を予定していた東大大気海洋研の蒲生さんは、急遽原発関連の航海に行くことになったので欠席した。
各国での最近の活動報告の他、日本海のプロジェクトEAST-I、黄海東シナ海のEAST-IIの今後の活動について議論を行なった。今後発展させなければならないEAST-IIだが、来年名古屋で行なわれるPEACEにあわせて、ワークショップを行なうことになった。また呼称問題も関連して今年発行されたPICESの現状報告書に入れられなかった日本海の報告書の執筆に関しても別に組織を作って進めていくこととなった。私は長崎丸での観測のことやその結果、海色の新しい時系列データ、NOWPAPのリモートセンシングトレーニングのことなどを紹介した。
韓国ではEAST-Iに関連したプロジェクトが5年間で終わり、さらに継続して5年間のプロジェクトが走りそうである。これでまた日本海をEast Seaと読んだ論文がどんどん増えるのは日本としては困ったものだ。韓国も中国も、ロシアもかなり国策で海洋研究を行なっているのだが、日本は縁辺海の研究はもともと多いとはいえない。さらに、震災と原発問題で今後の研究費に関しては不安が大きい。
杭州は2002年にSPIEで一度行っていたが、中国の十年の違いは大きい。田舎の印象だったが、今は大都会となっていた。5年間で家の値段が3倍になったというから驚きだ。近くの龍井(ロンジン)はお茶の産地でここまで行けば少しのんびりしている。お茶屋が並び、お茶葉を入れたコップに直接お湯を入れるお茶を何杯も飲んだ。
龍井のお茶畑
ロンジンでお茶を
杭州には飛行場もあるが、今回は上海浦東空港から上海虹橋空港まで行ってそこから、新幹線(和階号)で。上海の東西横断で1時間、新幹線も1時間の道のりだ。和階号は快適だが、日本の新幹線にそっくりで、かなり技術が移転しているようだ。切符は自動販売機で簡単に購入できた。上海-杭州の行きは直行バス、帰りは地下鉄に乗った。どちらも簡単だったが、地下鉄は混んでいる上にたくさん駅がある。100円程度と安いが、人を見るには面白いが、バスのほうが楽だ。
上海と杭州を1時間(約2000円)で結ぶ和階号