2011年4月6日水曜日

原発汚水

 原発の汚染水の海への流出を止めたという報道がある。しかし、素朴な疑問であるが、低いところで水の流出を止めるとどうなるか、もしも冷却プールへの放水が流れ出ているとすれば、下に向かってそれなりの圧力がかかっているはずである。海への流出を止めれば当然、それよりも上、可能性としては陸であふれる可能性が出てくるのではないか。素朴な疑問である。冷却水を注入しているのであれば、当然それに対応する水を抜き取らなければいけない。タンカーなど外にためるか、早く循環冷却システムを作らなければならない。
 実は某原発の外の海での放射能の移動に関する委員会に出席していたことがある。海の粒子へ吸着した放射性物質の沈降に関するシミュレーションを行なう予定であった。しかし、実際にはほとんど研究費も無く、研究には程遠かった。これほどの事態までは想定できなかったとしても、問題が無かったあのような時にしっかりとした研究をせずに、今回のような非常時に対応はできないはずだ。有明海などの問題でも同じだ。普段からしっかりした状況把握に勤めることが必要なのではないか。スケジュールが会わないが、学術会議の海洋関連(SCOR)の分科会と海洋学会でも今回の海洋汚染について議論を始めるようである。
 この騒ぎで中国からの留学生が、多くの人にお世話になって入学が決まったのに、残念ながら日本に来るのをあきらめてしまった。中国での報道にも問題があるかもしれないが、日本の安全神話が崩れている。