2011年3月20日日曜日

地震・津波

 今回の東北関東大震災と津波の被害は大変なものだ。幸いにして私の周辺の人たちは無事のようだ。石巻の造船所にいたTY君はGoogleの消息情報で無事が確認され、先日直接メールももらった。地震直後に逃げる間がなく、建造中の船に乗り、津波で沖へ運ばれ一晩漂流の末に救助されたとのこと。幸運ともいえるし、いろいろな場面での的確な判断もあったのかもしれない。多くの人に助けてもらったという彼の言葉は重い。東北大学の関係者もPD経由で無事の連絡が届いた。東北水研の皆さんも、産総研の原田さんや筑波時代の後輩のKKさんも無事との連絡があった。しかし、死者は7500人を超え、なお行方不明者も20000人近いということで、本当に痛ましい。
 また、福島第1原発の事故もなかなか先が見えない。いろいろと後手に回って避難を浴びてはいるが、こんな想定外の状況の中で手探りで対策を考える人たちも大変だ。ましてや放射線の高い中で作業をする人たちには本当に感謝したい。
 震災・津波・原発事故のために、様々のイベントが変更されている。来週予定されていた海洋学会も中止が決まった。また4月から日本に来る予定だったノルウェーのEgil Sakushaugさんは、原発事故で大学から渡航を控えるようにいわれているそうだ。ただそれだけではなく、年末に病気で倒れたこともその理由のようだが。原発も彼自身も状況がよくなったらぜひ改めて来て欲しいところだ。
 今回、韓国、中国、台湾、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、バングラデシュと、多くの外国人から励ましのメールをもらった。本当にありがたいことである。
 こんな中で、自分は何が出来るのだろうか。海洋リモセンで出来ることは限られるが、東京情報大の浅沼さんは津波で流されたものがどこまで行っているかを海色リモセンでチェックしたようだ。われわれもインドネシアの時には、TCK君と論文を書いたが、これは非常に良い考えだと思う。韓国からも一部画像をもらったが、高解像度の静止衛星でリアルタイムにチェックできれば非常に役立っていたかもしれない。あとは自分の知り得た安否は学会のメーリングリストに流した。これは心配している人たちを安心させる意味ではよかったように思う。東北地方ではいろいろと物資が足りないようである。大学を通じてのささやかな寄付はもっとも確実にできることだ。なんとも歯がゆい限りである。
 三陸は日本にとっては重要な水産拠点であるが、それが今回の津波で壊滅的な状況だ。これをどのように復興するか、非常に大きな問題だ。この復興次第で今後の日本の水産業の将来が決まるともいえるだろう。魚種変遷のプロジェクト等で成果を挙げてきた東北水研等も被害は甚大だが、ぜひこの復興に一躍を担って欲しい。