2011年3月3日木曜日

伊勢湾報告会・三河湾委員会

3月3日は午前中、名古屋大工学研究科の辻本先生の振興調整費 『伊勢湾流域圏の自然共生型環境管理技術開発(H18~22年度)』の成果報告会に出席した。午前中は辻本先生から、全体像の紹介があった。陸域の負荷を流域の中の「地先」別にまとめていき、さらにそれをまとめて、陸域への負荷を計算し、伊勢湾内では流動モデルをもとにした生態系モデルで、特に水産的に重要なアサリを中心にまとめ、生態系の健全であった1960年、現在の2000年、将来の2030年を計算し、比較するという手法は非常にわかりやすく、共感した。ただ、海の中に関しては、詳細はわからなかったがまだまだ不十分である様に感じた
午後は個別の話があったが残念ながら出席できず、三河湾の物質循環の健全化に関する委員会に出席した。こちらは海を中心としてた試みで、負荷削減を中心に行なうのではなく、干潟や藻場などの復元が重要だという考え方で午前中の陸中心の考え方と大きく異なった。三河湾の生態系が比較的よかった1960年と比較して、最近失われた半分の干潟が回復され、さらに今後そのレベルにもどす試みが行なわれていることは非常によいことと思われる。ただそれでも昭和30年代と比較すると3-4分の1とのことで、まだまだ少ないのかもしれない。いずれにしても、陸域からの負荷と海域の浅場の役割について、今後もそのバランスは議論する必要があると考えられる。
その後、資環研時代に何度か会っていたCT&Cの田口さんが、何と長崎大学に行かれる壮行会が「座座はなれ」であるとのことで出席した。工学系の日中韓のプロジェクトの特任とのことだ。長崎大の懐かしい人達の名前も出てきた。資環研時代の上司で三河湾の委員長である中田喜三郎さんも今年で東海大を退官で、前愛知水試場長の論客鈴木輝明さんと同じ名城大学にこられるとのこと、皆さんとは今後もさらにみつにお付き合いしたいところだ。