2010年3月16日火曜日

GCOE国際シンポジウム

3月15・16日にGCOEプロジェクト「地球学からの基礎・臨床学への展開」の国際シンポジウムアジアにおける複合的環境問題をどう解くかが開催された。基調講演として、エルンスト・フォン・ワイツゼッカー (持続的資源管理のための国際パネル共同議長・ローマクラブ会員)から「環境学ではどのように科学と政策を結びつけるか?」、武内和彦(国際連合大学副学長)から「人と自然の関係の再構築-SATOYAMAイニシアティブ」、ハンス=ペーター・デュール(マックス=プランク物理学研究所名誉理事長・ローマクラブ会員)から「物質と生命の驚異-その「現実」をいかに理解するのか」、真鍋淑郎(プリンストン大学・名古屋大学特別招聘教授) から「地球温暖化は水循環をどう変えるか」の講演があった。その他に、伊勢湾流域圏、中国を中心とした北東アジア圏、ラオスを中心とした東南アジアの各地域での活動の講演があった。
 特に印象に残ったのは、ワイツゼッカー 先生もデュール先生も、これまでの欧米的な細分化する科学と論文は限界に来ているとの発言である。たしかに、特に環境を考える場合には細分化だけでは限界が来ていることはたしかである。しかし、細分化する科学を抜きに人間の進歩は不可能であるし、全ての人間が細分化を捨てて統合化だけを目指すこともできないことは明らかである。彼らももともとは細分化した科学で卓越した業績を上げてきた科学者であり、その重要性や統合化の難しさも十分にわかっているはずであり、その上での発言と捉えられる。その点、真鍋先生はかなり現在の科学に立脚した考え方で、個人的には比較的わかりやすい。
 このGCOEでは学生や若い研究者に統合化を促すことにかなり重点がおかれているが、彼らには自分たちのある程度細分化した科学の重要性を認識してもらった上で、統合化にむけてどうしたらよいか広い知識で考えてほしい。とはいっても私が司会をした名古屋大学の地元の伊勢湾流域圏の話でさえ、非常に広い範囲の内容になり、それをどうまとめるかはまだまだこれからのチャレンジである。
 一方、竹内先生の講演では、里山をモデルにするべきであるが、同時にそれがうまくいってこなかったことを認識しなければならないことも指摘された。古いシステムにどう学び、新しい知識をどうそこに生かして新しいシステムを作るかまさにこれが統合化なのかもしれない。
 懇親会係としては、多くのスタッフの協力で全てが順調にいったことに感謝である。