2014年2月12日水曜日

大型クラゲ国際共同研究

 2月12日は大型クラゲに関する国際共同研究の委員会に出席した。昨年は春先に黄海・東シナ海の水温がやや高く、中程度に発生が見られので、大発生が心配されたが、その後は日本に被害を及ぼすほどの大発生はなかった。これに関しては、我々の水温での説明とある程度は対応しているように思えるが、上さんのフェリーボートのデータも蓄積が進んできたので、定量的な議論を進める必要がある。
 昨年は7月に長崎丸だけでなく、中国海洋大学の船に留学生のXu君が乗船し、黄海・東シナ海のデータが取れたので、クラゲの目視観測と水温・塩分での水塊分布を関連づけ、さらに衛星の水温と数値モデルを利用して、この分布がどのように広がったかの推測をした。その結果、黄海で見つかったエチゼンクラゲはほとんど江蘇省で4月後半から5月初旬にかけて発生した可能性が明らかとなった。一方で長江河口周辺で見られたクラゲはモデルの精度の問題もあり、まだはっきりとしなかった。この結果はすでにXu君が投稿し、学位論文にも含められている。
 委員会としては、衛星水温の経年変化等で簡単に大発生が予測ができる指標を求められた。なかなか難しいところではあるが、試みる必要がある。今年ももうすぐクラゲがでてくる時期が近づいている。
 Journal of Oceanographyで出版されたXu君の経年変動の論文は、日本海洋学会の若手奨励賞を受賞することになったそうだ。喜ばしい限りである。
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10872-013-0189-1