2011年6月4日土曜日

ゼミ

 6月3日はSTさんの論文発表ゼミ。Takahashi ら(2009) Detecting red tides in the eastern Seto Inland Sea with satellite ocean color imagery. J. Oceanogr.(衛星海色画像を用いた東瀬戸内海の赤潮の検出)だ。この論文は、私も一緒にやっていた振興調整費のプロジェクトの成果として発表されたものだ。基本的には日本の優れた赤潮観測網のデータと海色衛星データを対応させ、赤潮のスペクトルを判別するというものだ。現在われわれの大分沖の赤潮プロジェクトの手法もかなりこれに近い方法をとっている。
 赤潮プロジェクトのホームページhttp://redtide.hyarc.nagoya-u.ac.jp/では、最近有明海の赤潮分布も公開し始めたが、有明海は瀬戸内海と比較して濁っているため、少し工夫しないと難しそうだ。
 その後は、現在水循環研究センターに客員で来られているスイスのOhmura Atsumu先生の講演もあった。大村先生は地球規模のエネルギー収支をやられている。単純な黒体地球のバランスでの温度(-18度)を温暖化がない時と呼ぶべきではないとのこと。私も授業でずっとそう言っていたのでやや反省。また、精度のよい観測を長年続けることの重要性もうったえられた。