赤が別府沖の珪藻赤潮、青が赤潮でない海、黒はデータのない部分
さらにこの画像には、別府沖で観測した珪藻赤潮の分布にほぼ対応した赤潮分布が示されていた。また船上では、大分水試がこのプロジェクトで購入した、衛星生物海洋学研究室でも持っているフローカムという自動計測器で、この赤潮が有害な藻類のKarenia mikimotoiではなく、有害ではない珪藻赤潮であることが確認できた。
この時期にリアルタイムで船と衛星の同時データが取得できたことは本当に幸運である。正直、不謹慎ではあるが、研究面では有害な藻類の赤潮も観測したいところであるが、それはまたの機会でよい。聞くところによると、鹿児島県の八代海では昨年に続いて、有害赤潮のChattonella antiquaによる大きな被害が出ているとのことだ。赤潮の被害削減にはまだ遠い。
今回の観測では先月以上に多くの機材を積み込み、豊洋の乗組員には御迷惑をおかけした。観測への協力に感謝したい。