SAFARIは衛星データを水産のために利用する活動で、今回初めての国際シンポジウムであった。衛星データを漁業、資源管理、養殖などに利用した、世界各国での例が発表された。アメリカ・ヨーロッパはもちろん、南アメリカ、特に地元インドの発表が多く紹介され、近年の急激な進歩には驚かされた。私は今年度から開始した海色データの養殖での赤潮被害削減に関する試みを紹介した。日本からはほかに、北大水産の斎藤誠一博士と元水産研究所の松村皐月博士が発表をおこなった。各国の国策といえる動きを聞いていると、日本の現在の体制の貧弱さを強く感じた。日本も海洋基本法を受け、海洋利用・管理についてもっと国策として進めることが絶対に必要である。
ChloroGINは、沿岸でのクロロフィルaを中心とした海色衛星データと現場データを、特に発展途上国に参加してもらって収集、利用していこうというプロジェクトである。すでにヨーロッパ、アフリカ、南米、インド洋で動いており、私は主に東アジアでの参加を促進させる立場で参加した。こちらも各国あるいはEUを中心として、どんどん動いているのに対して、衛星計画が2回失敗した日本はやや遅れ気味である。ただNPECで進めているNOWPAP/CEARACの活動はかなり興味をもたれ、正式にChloroGINに参加することとなった。東南アジアではこれまで動きがなかったが、今回東南アジアから参加した何人かも日本とのつながりが深く、日本が中心となってまとめていくことが強く望まれ、私としても動いていくことになる。
5日間、朝から晩まで和やかながら忙しいスケジュールであったが、朝昼晩と始めての本場のインド料理をしっかりと堪能した。また映画でも有名なインド人のダンス好きも改めて感じさせられた。町中では車はややうるさいが、みんな人が良さそうであった。シンガポールから直行便があるのも楽だ。名古屋コーチンのもとはこの町の名前と聞いたが、確認はできなかった。でも周辺の鶏は名古屋コーチンと良く似ていたと松村さん談。
会議の後、以前から知っていたインド人の研究者の家に呼ばれたが、非常に広いのに驚き、さらに彼が現在のポストをやめて、マレーシアに単身赴任すると聞かされ、また驚いた。会議を主催した二人もいろいろな国で活躍してきた大物だが、日本人も日本にとどまらないで世界で活躍するような人材を育てていく必要がある。