2011年11月20日日曜日

水産海洋地域研究集会

19日は第7回目になる水産海洋地域研究集会「伊勢湾・三河湾の環境と漁業を考える」に学生のHM君と参加した。3年前から参加しているが毎回、愛知県と三重県の水試の研究者中心に、活発な議論が行われる。今年は主に浅場に着目した発表があった。前半は漁業資源形成過程での浅場の役割ということで、トラフグ、クルマエビ、アサリの生活史と浅場の関係に関する発表、後半は浅海域の変遷と問題ということで、三河湾のデッドゾーンと東京湾での状況についての発表があった。アサリはともかく、トラフグやクルマエビをはじめとして、他にも多くの魚が浅場でその生活史の一部を生活していることには驚いた。アマモ場についてはよく聞くが、干潟や砂浜がこのような観点でも重要であり、また多くの魚類がこのような場で移動して生活していることも新鮮だった。また、深場での貧酸素化はよく知られているが、人工的な水平方向の狭い入り江等も生物が利用できなくなってデッドゾーンになっているとのことで、今後の改善が必要である。毎年思うが、漁業者も含めて議論が進むことで、よい方向に向かって行きそうなよい雰囲気だ。今回は名古屋港水族館の近くの港湾会館だったが、水産海洋学会の木村さんや大関さんも東京・横浜から参加していた。