2010年11月14日日曜日

第1回三河湾委員会

11月12日は以前打診のあった環境省の海域の物質循環健全化計画の中の三河湾地域検討会の第1回があった。この計画では、日本の沿岸域での栄養塩の循環を陸域と海域一体としてそれぞれの海域ごとに管理し、生物多様性に富んだ豊かで健全な海域にするために、まず3つのモデル海域で栄養塩の循環の理解のもとに具体的な行動計画をヘルシープランとして策定することを目的としている。ここで「ヘルシー」とは「再生産可能な生物資源を生み出す海の仕組みが健全であること」としている。

このような管理のためには、それぞれの海域の特色を理解することが大切であるが、そのためのモデル海域として公募で三河湾、気仙沼、播磨灘北東部を選定している。三河湾はある意味これまで比較的よく研究されている海域で、委員長の東海大の中田喜三郎さん(私の資環研時代の上司)や委員の名城大の鈴木輝明さん(前愛知水試場長)がいろいろやってきている。その中で、三河湾の問題点は植物プランクトンの一次生産が高次に円滑に伝わっていないことで、本事業の調査として、微小植物プランクトンの現存量の推定、形態別の栄養塩の把握、底性生物の面的な分布の把握などを課題と設定していた。
確かにこれまで研究は行われているとはいえ、これらの点はまだ情報が少なく、これを機会に情報収集する必要が必要である。また問題はどの程度現実を表すようなモデルが作成できるかも重要である。またモデル海域として進める分にはよいが、今後各海域で健全化を目指すうえではモニタリング体制等、しっかりとした管理体制が必要となるであろう。まだわれわれの研究室では伊勢湾・三河湾の研究ははじめたばかりであるが、この事業ともうまく組んで進められればよいと思っている。
またこの委員会についておどろいたこととして、この委員会が一般公開されているということで、参加も自由だし、議事録等も公開されるようだ。このような情報公開は確かによいことであろう。