2010年10月9日土曜日

新学術領域打ち合わせ

10月8日は科研費の新学術領域「気候系のhot spot: 熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動」の磯辺班「縁辺海の海洋構造に励起される大気海洋相互作用と海洋生態系への影響」の打ち合わせのため福岡の九大応力研へいった。
愛媛大の磯辺篤彦さんを代表に、分担者の郭新宇さん、鹿児島大の中村啓彦さん、九大の広瀬直毅さんに、連携研究者の私と北大の中村知裕さん、長崎大の万田敦昌さんに、九大の山本勝さんが集った。生物海洋学の私以外は海洋物理で山本さんは気象が専門だ。
全体的には中緯度域の海洋が気象にどのように影響を与えるかが中心で、この班は特に東シナ海と日本海を対象としている。また、私は今年は連携で来年からは分担者となるが、気象が海洋生態系へ与える影響に関しても行うということで、タイトルに海洋生態系が入ってややプレッシャである。
気象が海洋生態系に与える影響ということでは、すでにエルニーニョが日本海の一次生産に与える影響や、台風の影響に関しては私も研究を行っている。今回の話で、さらに冬の季節風の黒潮周辺の生産への影響などの研究の方向が可能性として上げられたので、これは確認してみたい。
また、最近よく二酸化炭素やエアロゾル以外に海洋生態系が気象に与える影響がないかということを聞かれるので、最近目にした植物プランクトンの存在が台風の経路を変化させる可能性の論文を紹介した。ここでは植物プランクトンがいることで、表層水中の熱の分布が変化することで起こる可能性が示唆されている。以前私も植物プランクトンの存在で赤道湧昇が強化されるという中本さんの論文に名前を加えてもらったことがあるが、海洋だけではなく気象への影響の可能については非常に興味のあるところである。ただどうアプローチするのか、なかなか難しい部分もある。
おどろいたことは、この班の中で私が一番年上で、この研究計画全体でも50代以上が少なく、ほとんど40代、30代だということだ。海洋と大気両方の分野の人が入っていることとあわせ、この研究の強みであろう。
一方、私が台風の研究を行ってきた特定領域研究「大気海洋物質循環」今年度で終わるが、この後継プロジェクトの申請でも声がかかったが、すでにこちらに約束をしていたので入れなかった。そちらは生物が中心なので、やや残念な面もあるが仕方がない。
終わってから天神で、鯖のおいしいお店にいった。福岡の胡麻鯖は鯖の種類ではなく、料理の名前であることを初めて知った。