2010年8月30日月曜日

宇宙・海洋連携委員会

8月30日は宇宙・海洋連携委員会に出席した。これは宇宙基本法、海洋基本法を受けて、宇宙と海洋をどう連携させるかの委員会である。主に宇宙から地球観測データの実利用のためにこれからどのような観測体制をとっていくかが中心に議論が進められている。
私は環境・水産の委員で、初回は東シナ海航海中で欠席している。他に、海洋エネルギー・海底資源、海運・海洋セーフティー、環境セキュリティーの委員会がある。私は主に赤潮観測と貧酸素水塊観測への衛星利用について話をしたが、もちろん水産資源や漁場予測、ゴミ観測、環境アセスメント、藻場珊瑚モニタリングなど様々なテーマが含まれていた。
他の委員会ではまだ実際には衛星データの利用が進んでおらず、夢を語るような部分もあったが、環境・水産の委員会では比較的実際の利用が進んでいるために、逆に夢が小さいことが反省させられた。ただ、久々に前向きな議論が楽しかった。
委員会の前は、朝から東京駅のドトールでやはり委員のNPECの寺内さんと論文等の打ち合わせ、後は環境・水産の委員長である北大の斎藤さんと、この分野の草分けである松村さんとニュー東京庄屋で最終まで飲んだ。ここでも雇用も含めて夢を作り出すことやアジア戦略の大切さを議論した。

2010年8月13日金曜日

NOWPAP打ち合わせ

8月12/13日は、NOWPAP/CEARACの新しい所長の田中さんと、寺内さん、辻本さん、吉田さんが来て、来月に予定されているNOWPAP/CEARACのFocal Point Meeting/Expert Meetingの相談をした。先日は国内委員会と学内の会議が重なってしまい欠席で、申し訳なかった。
これからの活動としては、赤潮関連では新しい海域でのケーススタディー情報のまとめ、リモートセンシング関連ではロシアでのトレーニングコース、富栄養化では各国代表海域での評価を予定。
今年はCOP10があるため、多様性にも関連することを始めるが、資金が充分でない中で活動を増やしていくと、質が伴わなくなるか、と懸念。これまでにやってきたことをベースに、今のところ幸いにもスタッフの頑張りで何とか進んでいるようだ。ありがたい。
 12日はトリトリ亭に飲みに行って驚いた。たまたま見たボトルに「石坂研丞二禁止」の文字。学生の仕業か。次回、学生と飲みに来ることに決めた。


2010年8月11日水曜日

ISPRS

8月9日-11日で京都国際会館で開催されたISPRS-Technical Commission VIII(国際写真測量リモートセンシング学会のリモートセンシングの利用と政策に関する分科会)シンポジウムに参加した。http://www.isprscom8.org/

これまでこの学会に参加したことはなかったが、JAXAのGCOMプロジェクトに関係しており、海洋の部門の共同議長に選ばれていた。またJAXAとGEO(Group on Earth Observation)のセッションで講演を頼まれていた。JAXAではClimate Change and Marine Ecosystem(気候変動と海洋生態系)と題して、JAXAで予定している地球観測衛星ミッションGCOM-Cへの期待を話した。また、GEOではOcean Color Contribution to GEO (GEOへの海色の貢献)と題して、海色関係でのGEOに関係したプロジェクトで今年2月にインドのワークショップに参加したSAFARI(衛星の水産利用)とChloroGIN(クロロフィル地球規模ネットワーク)に

またGCOM-Cの飲み会と、海洋関係の打ち合わせに参加し、今年度の進捗状況や今後の進め方について話をした。私は担当している、基礎生産推定アルゴリズムと赤潮推定アルゴリズムについて話をした。日本の海色センサーは2回にわたって、衛星の問題で観測が短く終わってしまっているため、3回目のGCOM-Cには期待している。お金は厳しいようだが、このような地球観測の計画は国内でも利用され、また国際貢献にもなるので、国としてぜひ進めてほしい。

2010年8月5日木曜日

東シナ海航海

7月17日から27日に長崎大学の練習船長崎丸で東シナ海に行った。昨年に引き続き韓国に許可をもらい排他的経済水域での調査で、PICESのCREAMS-APの活動と位置づけてある。今回は名古屋大(7名)以外に、長崎大(6名)、九大(6名)、富山大(2名)、神奈川大(2名)と、韓国の研究院(KORDI、2名)と済州大(1名)、中国から第一海洋研究所(2名)と華東師範大(2名)で総勢30名の大所帯だ。2/3は学生で教育としての役割も大きく、いろいろな技術と国際的な人間関係を学んでもらえたと思う。

ずっと梅雨の雨空だったが、航海が始まると同時に晴れ、おかげではじめの数日は衛星画像が取れた。その代わり2日目には熱帯低気圧のおかげでかなりゆれ、何名かはかなり厳しそうだった。狙いは長江からの淡水が周辺の水と混ざった海域で、どのように低次生産活動が行われているかである。まだ解析はこれからだが、追跡したブイ周辺では珪藻が増加したのちに減少し、休眠体を形成していたようだった。エチゼンクラゲ調査も重要であったが、出現した場所はわずか2箇所で数は少なく、大きさも昨年と比較するとずっと小さく、今年はエチゼンクラゲの出現は多くなさそうである。また途中で海上からはっきりと見える内部波に遭遇したことも印象深かった。
今年は小さなエチゼンクラゲ(昨年は

名古屋大学のスタッフに入れてもらった沈降粒子を捕捉するためのセジメントトラップが一時行方不明になり、海のゴミを増やしてしまったかと思ったが、船長をはじめとした船員さんたちの努力で無事見つかって回収できたことは本当によかった。今回は参加したグループ、人数ともに多く、また外国人も多かったことから、いろいろな調整がかなり大変であった。しかし、それだけの価値はあった航海であった。特に中国から初めて参加してもらったことは今後の協力関係を伸ばしていく上で大切だ。
途中行方不明になったセジメントトラップ、下に沈降粒子が入っている。

お客さん