2011年8月6日土曜日

NOWPAP/CEARAC多様性・富栄養化専門家会合

8月4・5日はNOWPAP/CEARACの多様性と富栄養化に関する専門家会合のために富山へ。NOWPAP/CEARACで行なっている多様性と富栄養化に関する活動の今後をどうするかを議論する会議で、日中韓露の4カ国の専門家とHELCOMというバルト海の国際活動やアメリカの海洋気象局(NOAA)の専門家が集った。
HELCOMに関しては、2年前にも来てもらったMaria Lamaanenさんが、非常によいプレゼンをしてくれた。様々の指標を下にバルト海の富栄養化や多様性に関しての現状マップを作成しており、NOWPAP海域でもぜひ作りたいところだ。成功の鍵は、海域の生態系に関するしっかりした知識、共同モニタリング・評価、現状に関する共通認識と共通の目標、環境に関する切迫感、家族感、しっかりした事務局、国際基金の関与とのことだったが、NOWPAPではまだまだの部分が多い。もちろん彼らはすでに何十年にもわたって議論してきているので、こちらもじっくりした取り組みが必要である。NOAAの活動に関してのプレゼンでは、むしろ海域の情報が多すぎでどのように減らすかを悩んでいるような印象があった。うらやましい限りである。様々の情報をどの様に組み合わせて環境指標としていくか、簡単ではない。
京大から最近JAMSTECに移動した白山さんは、日本の海洋生物多様性に関して情報提供してくれた。昨年日本でCOP-10があったことで、非常に注目されているが、現実的にはいろいろ難しい問題が山済みのようで、海洋保護区に関しても、日本政府が四苦八苦して10%の目標を達成しようとしていることがわかった。ましてや他の3カ国もそれぞれ全く違う状況と考え方で、NOWPAPとしてまとめていくことは大変そうだ。
20年以上前からの親友でPICESの科学者ボード議長のSinjae Yooが、PIESの状況、韓国の多様性と富栄養化の3人分の発表をしていた。Lamaanenさんとともに、適時適切な発言をしてくれ会議としては非常に助かった。
個人的にはは富栄養化に関しての議論をまとめる立場であったが、多様性と比較すれば、すでに実績があるし、手法を見直しながら限られた海域でのケーススタディを全体海域に広げていくという、方向性もはっきりしていたので、比較的すんなりまとまった。