相模湾は東京湾からの水や黒潮の影響が頻繁にあり、単純な系ではないが、CREST/SORSTの10年にわたる研究は一次生産を中心にそこでの物理・化学・生物プロセスとそのつながりを明らかにできつつあると感じられた。CREST/SORSTは終了するが、相模湾では他にも多くの研究が行なわれており、それをつなげる必要があること、また比較沿岸海洋学の観点で他と比較した研究や、全体像を衛星とモデルであらわすことが必要であることなどが議論された。
また現在JAMSTECの才野さんが、私の筑波大時代の恩師で当時東京大学理学部の高橋正征先生が、伊豆沖湧昇の研究を行っていた時の1985年に川口湖で行なった集会の写真とメモを披露した。当時若手を中心に20年後(つまり今)までを見通した研究の方向性を的確に考えており、それがその通りに進んできたことは驚きに値した。最近外洋の研究は鉄や窒素固定などで大きな進展があるが、沿岸でも新たなビジョンを共有することが必要があることを感じられた。
この日はCREST/SORSTの代表である才野さんの誕生日であり、それをお祝いしながら議論が盛り上がった。

