2010年1月26日火曜日

富山湾プロジェクト勉強会

1月25日は国連環境計画(UNEP)の北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の特殊モニタリング沿岸評価地域行動センター(CEARAC)になっている富山の環日本海環境協力センター(NPEC)が、NOWPAP事業を援助する形で行なっている富山湾プロジェクトの勉強会が富山であった。以前、作成した富栄養化評価マニュアルに基づいて富山湾の富栄養化の評価を行なっている。主に栄養塩類やクロロフィルの量、衛星データなどの長期変化と値から富栄養化の判定を行なうものであるが、その評価手法についての詳細を議論した。私は学生が取り組んでいる対馬海峡の透明度の長期変動に関して話題提供を行なった。富山の仕事もかなりそれらしくなってきたようであるが、他の仕事も忙しそうだ。
せっかくの富山も日帰りとなってしまい、おいしい海産物とお酒をゆっくり楽しむのは次回となった。

2010年1月21日木曜日

国際海色調整グループ(ブラジル)

 2010年1月18日から21日にかけて国際海色調整グループ(IOCCG)の会議に参加した。今回はブラジルのリオデジャネイロということで、ヒューストン経由で行き、帰りそれぞれ、36・38時間かかる長旅だった。
 IOCCGは、国際的に数多くの海色リモートセンシングセンサーがあげられる中で、それらをどう効率よく打ち上げ、運用していくかを議論する会議で、各国の宇宙機関が出資し、研究者とともに議論する場であり、世界各国持ち回りで開催されている。日本からは宇宙航空研究開発機構(JAXA)がお金を出していて、今回は地球観測研究センターの村上さんと私の二人が出席した。
 アメリカとECから宇宙機関としてNASAとESAやフランスのCNES、利用機関としてNOAAとJRCが強いが、その他、欧米の研究者が多く参加している。アジアでも、今年世界で始めての静止海色衛星を打ち上げる韓国やデータはあまり出てこないが多くの衛星をあげている中国、2機目の海色衛星を上げたインドなどの発言権が増しつつあり、2回失敗(5年予定が1年持たなかった)した日本はなかなか苦しい立場である。様々なワーキンググループの活動や宇宙機関の状況、トレーニングなどの議題が並び、なかなか英語の議論についていくのはアジア系のわれわれには大変である。ワーキンググループなどこのような場で活躍できる研究者を今後日本としても育てていく必要がある。
 リオは治安が悪いとガイドブック等にはあったが、変なところへ行かなければ何も問題ない。ただ飛行場周辺の町並は貧しそうで、会議の行なわれたリゾート地帯のコパカバ-ナビーチとのギャップは感じた。食事は肉とチーズが中心で、サンバのリズムでいくら踊ってもみんな太っていることは納得がいく。

2010年1月15日金曜日

新年会と歓迎会

研究室の新年会と、新しく研究室に研究員として来た鋤柄さんの歓迎会を行なった。またGCOEで来た山下さんにも参加してもらった。鋤柄さんはもともとこの才野研の出身で、しばらく東北大の地球物理に研究員をやっていて、1月から戻ってきた。また山下さんはバーミンガム大学から来て、沿岸管理に関する環境教育に興味を持っていて、昨年一度海洋学会で会っている。今後二人には活躍してもらいたい。

エコさん、アンドレアスさんの家族や私の家族も来て、本山のトリノスケでかなりにぎやかだった。飲み放題・食べ放題とのことで、みんなおなか一杯状態だった。

今日は春の海洋学会の締め切りでもあったが、2日伸びたので少し助かった。

2010年1月14日木曜日

赤潮プロジェクト報道

当研究室が今年度から大分水試、東大、瀬戸内海区水研と共同して開始した、赤潮のプロジェクト(宇宙利用促進調整委託費)についての報道が、昨日、大分合同新聞に掲載された。

http://www.oita-press.co.jp/localNews/2010_126334529304.html

このプロジェクトは、衛星データを利用して赤潮による水産被害を削減する技術を広げることを目的としており、大分県をそのよい例と位置づけている。九州域では昨年夏も大きな赤潮被害が起こった。広い海の観測をすることができる衛星データは、赤潮監視にはもってこいのはずであるが、これまでは色々な問題で十分利用されてこなかった。この研究で衛星による赤潮監視を広げることができると考えている。

地球環境変動観測ミッション(GCOM)ワークショップ

1月12-14日に開催された宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球環境変動観測ミッション(GCOM)ワークショップに参加した。

GCOMは、降水量、水蒸気量、海上風、水温などを測定するマイクロ波放射計(AMSR-2)を搭載して2011年に打ち上げ予定の水循環変動観測衛星 GCOM-Wと、雲、エアロゾル、海色(海洋生物)、植生、雪氷などを観測する多波長光学放射計(SGLI)を搭載して2014年に打ち上げ予定の気候変動観測衛星 GCOM-Cからなる。今回のワークショップはそれらの衛星を利用して様々な項目を測定する手法を作成したり、それを利用して地球について研究する研究者の会合である。

石坂は海色を利用して、赤潮と一次生産を推定する手法を研究する担当で、その進捗状況を発表した。

これまでJAXAは、海色を測定するセンサー(OCTS, GLI)を搭載した衛星みどり(ADEOS)1号2号
1996年と2002年に打ち上げたが、いずれも5年間の予定が衛星自体の問題で1年も観測が継続できず、世界的に信用を失った経緯がある。今度は本当に3度目の正直になってほしいところである。

2010年1月11日月曜日

講義とブリパーティ



昨日・今日とで大学院の講義「海洋気候生物学」の補講を行った。「海洋気候生物学(Ocean Climate Biology)」は前任の才野さんのつけた名前で、意図するところはわかるが、私であれば「気候と生物海洋学(Climate and Biological Oceanography)」としたいところだ。日本語があまり得意でない学生も受講していたため、後半は英語中心で日本語も交えながらやっている。

午後は大学院の「生態海洋気象学セミナー」でこちらはMartinのIntroduction to Ocean Remote Sensingの後半を輪読している。かなり原理的なことが多いので、やや理解するのが難しい本ではあるが、今年度中に終わりそうだ。

卒業生のSS君から立派なブリ(ハマチ?)が届いた。山口君がさばいて、研究室で刺身とブリシャブでいただいた。脂がのって非常においしい。残りはうちへ持って帰って、後日、照り焼き、アラ汁、カマ焼きでいただいた。SS君ありがとう。